先日、ファミレスで代替肉を食べる機会があった。
数年前から海外では代替ミートなどが非常に話題になっていて、さまざまなお店で商品化されていたが、日本ではあまり目立っている印象はなかった。ところがファミレスで食したのをきっかけにあらためて調べてみると、世界的にはかなり代替食品の開発が進んでいることが分かる。
日本で代替食品と言うと、「ミート」を思い浮かべる人たちが多いかもしれない。そこで、「ラボ」つまり研究所で作られている食品の現状と、今後、代替食品が社会とビジネスにどんなインパクトをもたらすのか、探ってみたい。
9月1日、米オンラインメディアの『Quartz(クオーツ)』が興味深い記事を掲載した。
「未来のチョコレートが到来した――そう言われている。食用で、溶けるし、割れるし、チョコレートの味もするが、カカオ豆をひとつも使うことなくラボで作られたものである」
記事では、最近、チョコレートをラボで作る企業が積極的に動いていることを紹介している。というのも、その裏には、過去何十年にわたって取り沙汰されてきた、チョコレート生産の問題点を改善しようとする意図がある。特に、国連が提唱したSDGs的な意識も多少は後押しし、持続可能性が注目されていることも関係している。
チョコレートの原料となるカカオ豆は、ガーナやコートジボワールの農家たちが生産しているが、ずっと児童労働が問題になってきた。生産過程で賃金なども搾取されていると指摘され、さらに森林伐採が進む原因の1つになっているとの報告もある。
カカオなしのラボ製造チョコレートは、言われないと違いが分からないほど、カカオを使用したチョコレートと品質は変わらないという。ただまだ製造に時間がかかっており、これからそのスピードが10倍以上に改善されると見られている。
といっても、それでカカオ生産者を路頭に迷わせるようにしてはならないと関係者らは見ていて、カカオへの需要に影響は及ぼさないで労働環境などを変えていくきっかけになることを狙っているという。
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