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「Figma」日本語版が公開 デザインコラボツール大手 ヤフー、LINE、楽天などがすでに導入

» 2022年07月27日 14時00分 公開
[山川晶之ITmedia]

 デザインコラボレーションツール「Figma」を手掛ける米Figmaは7月27日、Figmaの日本語版を提供開始したと発表した。価格は、スタータープランが無料、編集が可能になるプロフェッショナル版は1人あたり月額12ドル(年間パッケージに加入した場合の1人あたりの額)、ビジネス版は1人あたり45ドル、大企業向けのエンタープライズ版は1人あたり75ドル。

(左から)Figma CPO(Chief Product Officer)の山下祐樹氏、同社CCO(Chief Customer Officer)のアマンダ・クレハ氏、同社CEOのディラン・フィールド氏、Figma Japan代表取締役社長の川延浩彰氏

 Figmaは、Webブラウザ上でWebやアプリなどのサイトデザイン全般を制作・レビューできるコラボレーションツール。デザイナーだけでなく、プロダクトマネジャー、エンジニア、マーケターなどが参加して一緒にデザインを作り上げる、チームでのデザイン制作を支援する。このため、デザインツールでありながら、ユーザーの3分の2が非デザイナーという特徴を持つ。国外ではGoogle、Microsoft、vmware、Twitter、Uber、Squareなどで導入されており、国内でもすでにヤフー、LINE、楽天、富士通などが採用している。

GoogleやMicrosoft
楽天はFigmaを使って独自のデザインシステムを構築
LINEでも34のプロダクトでデザインを統一するために使われている

 Webブラウザ上で、サイト/アプリ画面を表示し、各画面のアイコンやデザイン、テキストを直接編集できる他、参加メンバーの同時編集、他のメンバーに画面を操作してもらう画面共有モードなどを備える。デザインはコンポーネントで構成されており、1カ所の修正を全てのサイト/アプリ画面に反映できる。スマートフォン動作時のシミュレーション機能、作成したデザインのコードや数値をエンジニアが参照できるインスペクトモードも搭載。そして、デザインファイルは常に最新版へアクセスできるため、バージョン管理の手間もないという。

Figmaのサイト画面

 アジアの拠点開設は日本が初。なぜ日本を選んだのか、その理由は「優れたデザインが日本には豊富」「テクノロジーリーダー」であることと「日本人コミュニティの熱気」にある。これまでFigmaは英語での利用がメインで、決して日本人が使いやすいツールではなかったものの、日本のコミュニティがチュートリアルを作成したり、解説本を執筆したり、UIを日本語に変えるChrome拡張を開発したメンバーまで存在する。こうした背景から、同社CEOのディラン・フィールド氏は「日本語を強化し、投資する責任があると感じた」と語る。

解説本を出版したり、UIを日本語に翻訳するChrome拡張を作成したコミュニティメンバーも

 Figmaに似たデザインコラボツールは、SketchやAdobe XDなども知られている。こうしたツールとの差別化ポイントとしてディラン氏は「インタフェースデザインに特化しており、クラウド、Webベースを創業時から経験している」と説明した他、Chief Product Officerの山下祐樹氏は「他社との違いはクラウドネイティブであること。他の製品は後からコラボレーションを付け加えるイメージ。この違いでユーザー体験が変わってくる」と自社の強みをアピールした。

 同社は、オンラインホワイトボードツール「Figjam」も日本に導入する。デザインに必要なブレインストーミングを手軽に行うために作られたツールで、アイデアを生み出しやすいUI/UXを実現し、Figjamで出たアイデアは、シームレスにFigmaにインポートできる。価格は、スターター版は無料、プロフェッショナル版が1人月3ドル、ビジネス版とエンタープライズ版は1人月5ドルで利用できる。

オンラインホワイトボードツール「Figjam」も日本に導入

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