7月2日、朝起きてすぐ、気まぐれに知人の携帯電話をコールした。連絡を入れることは決まっていたが、普段ならLINEでメッセージを入れ、必要ならLINEで通話すれば事足りる。しかしこの時は、なんとなく携帯電話の音声回線を使ったのだ。
すると聞こえてきたのは「おかけになった番号は現在使われておりません……」という、あの音声。あれ? 電話番号が変わった? あるいは勤務先が変わっているから、会社支給の携帯電話だったのか?
LINEでコールすると普通につながって会話ができる。
「携帯電話番号変えたの?」と尋ねると、ずっと変わっていないという。もう一度かけてみると、「ツー、ツー、ツー」と、今度はいきなり回線が切断された。
その後、auの携帯電話回線がトラブルを起こしているニュースを見て、それがトラブルなのだと知った。同じような経験をした人の中には、架電先の相手が本当に携帯電話を解約したと誤解する人もいたのではないだろうか。
そんなことがあった26時間後の7月3日午前11時、筆者はKDDI高橋誠社長と技術統括本部長の吉村和幸専務がトラブルの現状を説明する記者会見に出席した。
こうした通信インフラのトラブルでは通常、復旧を最優先として、原因をしっかり調査した後に説明会を開催するのが通例だ。しかし今回は記者会見の時点では完全復旧しておらず、大まかなトラブルの経緯は把握できているものの「原因の根っこは分からない」中での記者会見だった。
理由は総務省と問題について話し合う中で、影響が全国のユーザーに及んでいる上、トラブルは発生から30時間以上経過した時点でも完全復旧の時間的な見通しが立っていない状況で、まずは現状について説明すべきという結論になったからだという。
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