猛暑が続き、電力需給がひっ迫しているとして政府が企業などに節電を呼びかける中、その影響が消費者の購買行動にも出ている。「東急ハンズ」を運営する東急ハンズ(東京都新宿区)は6月30日までに、暑さ対策グッズの売り切れが相次いでいると明らかにした。同社の担当者は「次回入荷が分からない商品が複数ある」としている。
東急ハンズの広報によると、先週末からの猛暑続きで、対策グッズを求める消費者が急増。テレビ番組などで東急ハンズが取り扱う商品が紹介されたことに加え、気象庁が6月27日に「梅雨明け宣言」(関東甲信)を発表したことが決定打になり、来店者が殺到したという。
関東甲信での梅雨明けは、1951年の観測以降、史上最速で、6月中の梅雨明け宣言は異例。例年であれば6月中は、傘など梅雨対策の商品や、室内干し用のハンガー、カビ対策グッズなどが売れ筋商品だったという。7月以降が暑さ対策グッズの販売のピークのため、同社もそれを見越し、例年通りの仕入れを行っていた。
「売れ筋商品の販売ピークが急に前倒しになった。想定外の事態だ」(東急ハンズ広報)
暑さ対策グッズとしては携帯用の手持ち扇風機などが売れ筋だったものの「軒並み在庫がなく、各社で在庫の奪い合いになっている」(広報)との現状を明かす。在庫の仕入れ状況についても「次回入荷が未定の商品も多くある。各メーカーも増産できるか不透明」との認識を示した。在庫確保が不透明な状況が続くが、同社は今後もニーズに合わせた商品展開を続けていく方針だ。
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