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ドラマ本編にAIが広告をさりげなく合成する技術、フジテレビが運用 「ゆくゆくは広告で途切れない動画配信に」

» 2022年06月17日 11時51分 公開
[ITmedia]

 フジテレビは6月17日、AIを用いて本編内に広告を合成する「iCADs」システムを本格運用すると発表した。FODなどで配信しているドラマ「30禁 それは30歳未満お断りの恋。」から導入する。

広告を合成する前
広告を合成した後。シャッターの位置がずれてポスターを貼った壁が登場している

 視聴者が見ているドラマ本編の背景などに交通広告やポスターという形で広告を合成する。例えば第3話では建物の壁面に元の映像にはないミュゼプラチナムのポスターを合成した。

 無料動画配信サービスの「TVer」と「GYAO!」で広告ありバージョンを配信し、有料のFODでは広告のないバージョンを配信する。FODのユーザーは比較して楽しむこともできるとしている。

 「通常は動画の前後や途中にインストリーム広告が入るが、iCADsで本編内に広告や商品情報を合成することで、ゆくゆくはコンテンツが途切れず、一気に視聴できるようになる」(フジテレビ)

 iCADsはフジテレビが英国ロンドンのデジタル・プレイスメント企業MIRRIADと共同開発した広告情報サービスで、2月にドラマ「木のストロー」無料見逃し配信でiCADsの実証実験を実施した。将来的には視聴者の属性に応じて動画内の広告を出し分けることも検討していく。

FODオリジナルドラマ「30禁 それは30歳未満お断りの恋。」

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