本連載で1年前に、世界で一番売れているEV「宏光MINI EV」(以下、宏光MINI)を紹介した。約50万円で買える(今は円安と値上げで最低価格は60万円台後半だが)同車種はその後も“快走”を続け、2022年5月時点で累計販売台数が73万台に達した。
日本では日産自動車が先日、軽電気自動車『SAKURA』を発売し、市場を一気に広げる存在として格安EVに期待が高まっている。中国でも二匹目のドジョウを狙い、100万円以下のEVが次々に登場、早くも明暗が分かれつつある。
世界で一番売れているEVの宏光MINIは新たな市場を創造。それにより中国では100万円以下のEVが次々に登場したが、早くも明暗が分かれつつある(出典:通用五菱汽車、Webサイト)
- EV販売世界トップ「宏光MINI EV」に政策変更の暗雲 〜上海市が優遇政策から除外
中国EV市場を盛り上げた立役者である米テスラを上回る勢いで、上汽通用五菱汽車の「宏光MINI EV」が売れている。カスタマイズバージョンの発表などさらなる快進撃を目指していたが、今月に入って上海市のEV普及政策の対象から除外され、販売が一時停止されるなど混乱が生じている。
- 日産SAKURAは軽自動車のゲームチェンジャーになり得るか?
日産自動車が、以前から予告していた軽BEVの「SAKURA」を発表した。5月20日の会見で、日産の星野朝子副社長は「軽の常識を変えるゲームチェンジャー」とSAKURAを評した。
- ホンダ、中国でアキュラ生産中止 EV化に乗れず衰退する日系メーカーの象徴との声も
ホンダの中国合弁会社・広汽本田汽車が今月8日、高級車ブランド「アキュラ」の生産を年内で終了すると発表した。ホンダは2030年以降、中国での新型車は全て電動車とする方針で、その一環。しかし中国の消費者からは、日本車メーカーの衰退を象徴する“撤退”とも受け取られている。
- テスラからの争奪戦が勃発、中国自動車業界へ参入するメガITの勝算
2020年の自動車業界の最大トピックは、トヨタを抜き世界首位となったテスラの時価総額だろう。販売台数ではトヨタの10分の1もないが、中国マーケットを取り込んで業界に変革を起こし、中国新興EVメーカーは勢力を拡大、さらにメガIT企業の参入も呼び込んだ。そこで21年に台風の目となりそうな、中国自動車業界の注目トレンドを紹介したい。
- アリババとシャオミの寵愛受けた「小鵬汽車」が描く“呂布”テスラを倒す道
コロナ禍を機に活気づく中国のEV業界。米市場へ上場した中国EVメーカーには、2018年上場の蔚来汽車(NIO)、20年7月30日上場の理想汽車、そして8月27日に米ニューヨーク証券取引所へ上場した小鵬汽車がある。小鵬汽車の何小鵬CEOは6月、三国志の呂布にテスラのイーロン・マスクCEOを、そして呂布と戦う3人に米上場3社のCEOを例えた投稿を行った。ここでは同氏の投稿の意図を紐解いていく。
- 異色の高卒起業家が率いるEVメーカー「理想汽車」、理想を捨て実現したIPO
7月30日にナスダックへ上場した、中国EVメーカー「理想汽車」がナスダックに上場した。2014年に中国で多数設立されたEVメーカーがコロナ禍で次々と破綻するなか、今回の上場で一歩リードし、テスラのライバルを名乗る資格を手にしたと評されている。IPOに至る道のりをを通して、中国マーケットの豊かさと厳しさを紹介したい。
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