DaaSで一般ユーザーが「macOS」を使うことは難しい。その背景には、Appleの厳格なライセンス規約があるという。どういうことなのか。
エンドユーザー自身が業務用端末の種類を選べる場合、Appleのクライアント端末「Mac」は人気の選択肢となる。仮想デスクトップのクラウドサービス「DaaS」(Desktop as a Service)の認知度や機能性の向上に伴い、仮想デスクトップのゲストOSとして、MacのOSである「macOS」を利用することに関心を持つ企業もある。
Appleのライセンス規約が、この可能性に課題を突き付けている。
macOSには、ハードウェアとソフトウェアに関する厳格なライセンス規約がある。macOSは、Appleが指定した同社製のハードウェアで実行しなければならない。加えて他のベンダーが提供するサービスを通してmacOSを使用することはできない。これはホスティングや時間貸し、端末共有などの業態でApple製ソフトウェアを提供することを禁止する、同社のライセンス規約に基づく。
サードパーティーがDaaSで、macOSの仮想デスクトップを提供することはできない。ユーザー企業がオンプレミスのVDI(仮想デスクトップインフラ)に、macOSの仮想デスクトップを導入することは技術的には可能だ。ただし、これはライセンス規約のグレーゾーンに該当する可能性があり、コストもかさむ。
制限はあるものの、AppleはmacOSへのリモートアクセスを認めている。エンドユーザーが複数の端末から1台のMacに接続することはできるが、Appleソフトウェアを操作できるのは1つのリモートセッション(仮想デスクトップとクライアント端末間の通信単位)のみで、それ以外のリモートセッションは閲覧しかできない。このライセンス規約のために、macOSのリモートアクセス機能は著しく制限されている。
第3回は、macOSのライセンス規約に関する変化を説明する。
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