SSD利用者が知っておくべき“NVMe接続の本命”とは?SSDの今後を一歩先読み【後編】

SSD分野は今後、PCIeの新世代への移行が進む見通しだ。矢継ぎ早にSSDの新製品を発表するキオクシアは、SSD分野の今後がどうなるとみているのか。

2022年06月14日 05時00分 公開
[Adam ArmstrongTechTarget]

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 コンピュータと周辺機器を接続するインタフェース規格「PCI express」(PCIe)の市場は、新しい世代への移行が進む見通しだ。フラッシュメモリベンダーのキオクシアは、SSDの新製品を相次いで発表し、PCIe市場の開拓を狙っている。

キオクシアが狙う“SSDの本命”

 キオクシアは2022年3月に、「PCIe 5.0」を採用したSSD「KIOXIA CD8」(以下、CD8シリーズ)のサンプル出荷を開始した。CD8シリーズは、PCIe 5.0を採用した同社製SSDとしては2代目で、同社が2021年11月に発表した「KIOXIA CD7 E3.S」(以下、CD7シリーズ)の後継となる。CD7シリーズは、法人向けSSDの新しいフォームファクター(サイズや形状の仕様)「EDSFF E3.S」(EDSFF:Enterprise and Data Center SSD Form Factor)を採用した。

 CD8シリーズはPCIe 5.0の普及を後押しするものになると、キオクシアのシニアプロダクトマネジャーを務めるイリヤ・チェルカソフ氏はみる。「EDSFFを採用したCD7シリーズで新たなエコシステム(相互依存関係にある領域)が生まれる。2023年にはEDSFF市場が立ち上がる」とチェルカソフ氏は語る。CD8シリーズは、さらにその先のニーズを見越して設計したという。

 企業のデータセンターで一般的に使用されているフォームファクターの2.5型をCD8シリーズは採用した。「このSSDはデータセンターのサーバなど、高速な読み書きを必要とする用途向けに使える」とチェルカソフ氏は話す。CD8シリーズは、キオクシアの3次元(3D)のNAND型フラッシュメモリ「BiCS FLASH」を搭載。メモリセルの積層数は112層となっている。

 キオクシアの発表によれば、CD8シリーズはデータ転送速度で毎秒7.2GB、ランダムリード(不連続なデータの読み出し)で125万IOPS(1秒当たりの入出力数)を実現する。これはCD7シリーズの毎秒6.45GB、100万IOPSより向上した。

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