パンデミック後の新しい経済環境が到来しても、企業の設備投資額が以前の水準に戻るには数年かかる可能性がある。IT予算を設備投資からOPEXにシフトする傾向は以前からあったが、設備投資額回復に時間がかかるのには、コロナ禍が後押しする「別の理由」もある。
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パンデミックによる最初の衝撃の後、ほとんどの企業はITプロジェクトを保留し、CAPEX(設備投資)を可能な限り停止して損失を補填した。しかしすぐに、特定の技術分野では運用に必要な投資は減少するどころか増加することが明らかになった。
マーケティング会社であるForresterのクリストファー・ギルクリスト氏(主席研究アナリスト)は「全体的に、ITの一部の分野で支出が増加したとはいえ、全体的に見て過去2年間でIT予算の大部分はCAPEXからOPEX(営業費用)にシフトしている」と述べる。今回のパンデミックによって(IT予算がCAPEXからOPEXにシフトするという)ここ数十年来の傾向がさらに進んだにすぎない。
「パンデミック発生の初期には、IT予算の構成を変更する必要があった」と同氏は言う。「60%以上の企業が適応力を拡大するために、IT支出をCAPEXからOPEXへシフトさせた」(ギルクリスト氏)
問題は、パンデミックに起因する予算構成のシフトが長続きするかどうかだ。パンデミックの状況変化に合わせて企業は支出やリスク許容度を順応させ、テレワークあるいは現場での業務の急激な変化といった外部圧力に対応しなければならない。
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