2020年1月以来、久々の海外出張はニューヨークに2泊4日という弾丸日程だった。到着直後には帰国時審査用のPCR検査を受け、翌日の取材・執筆後には帰国した。
普段ならば丁重にお断りするところだが、取材内容が米国のオーディオメーカー「ソノス(Sonos)」の最新製品だと聞いて、現地に向かうと決めた。理由は彼らの作る製品の“音質”に興味があったからだが、収穫は大きかった。
ソノスの製品は高級オーディオではないが、デジタルガジェットとしてはやや高め。しかし音楽をカジュアルに楽しむための機能性を持っている。そして、音質についても実に納得感のある音を出すだけではなく、“ポンと置くだけ”で出してくれる設置のイージーさに感心していた。
発表された新製品や新しいサービスは興味深いものだった。さらに、ソノスの経営幹部と音質担当者から聞いたストーリーには、無名のベンチャーが、狭いジャンルとはいえグローバルのトップ企業に成長するエッセンスが詰まっていた。
ニューヨークで発表された製品は「Sonos RAY」で、テレビとセットで使うサウンドバーと呼ばれるジャンルの製品だ。同社のサウンドバーとしては最も安価でコンパクト。言い換えれば“最も低グレード”の製品だ。ところが、実際に聴いてみると音質は素晴らしい。
一応、付け加えておくが、オーディオ製品は投入するコストで“音の品位”が決まってくる。従ってラインアップ中、最も廉価なRAYは品位の面で上位モデルに及ばない。ところが“音の質”という面ではよく調教されている。
価格なり、大きさなりの制約はあるが、サウンドバーとして映像作品の表現、音楽の表現の両面で納得できる音の質を引き出せている。
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