【全文】「ゆっくり茶番劇」商標登録騒動 ドワンゴは会見の質疑応答で何を語った? 一問一答(1/5 ページ)

» 2022年05月24日 12時38分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 動画サービス「ニコニコ動画」などで親しまれてきた「ゆっくり茶番劇」が第三者に文字商標として登録された問題で、ドワンゴが5月23日に緊急記者会見を開いた。会見内の報道陣からの質疑応答に、ドワンゴはどう回答したのか。一問一答形式で紹介する。

photo 「ゆっくり茶番劇」(出典:ドワンゴの会見配布資料)
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質問 他の動画サービスでも、同様に商標登録の効力が発揮されてしまうのではないかとの懸念がある。他のサービスとはどんな話し合い、連携をしていくつもりか。

ドワンゴ 今回の事案は非常にスピード感が重要だと感じている。問題発生してから1週間以内に見解を示し、1週間余りで記者会見をしているが、恐らく他の会社と協議しているとこんなスピード感で対応できなかっただろう。他の動画プラットフォームとは連携できていない。われわれ(ドワンゴ)単独で、ZUNさんなど関係各所、法律事務所などと連携した。動画クリエイター全体の問題なので、われわれは常に門戸は開いている。一緒に検討したいという会社があれば、お声がけしてもらえれば対応していく。

なぜ、ドワンゴが当事者なのか?

質問 ドワンゴの立場を教えてほしい。ドワンゴが商標権者に放棄を交渉できるのはどんな立場のためにできるのか。

ドワンゴ 「ゆっくり茶番劇」という単語はわれわれの中ではジャンルを表す言葉だと考えている。各種クリエイターや生放送を配信するためのプラットフォームとして、われわれ(ニコニコ動画)は存在しているため、われわれとしては皆さんがニコニコ動画に投稿してもらったコンテンツを取り扱うプラットフォーマーとして、ジャンルに関わるものが商標登録されているという状況で、われわれも対象者、そして商標権者に訴えられる可能性がある当事者の一員だと認識している。

質問 この問題に限らず、商標権を巡る問題は起きている。今回の対応が今後のフォーマットのようになっていき、今後の創作活動と著作権者の両立を保護する形として、どうなると考えているか。今回の対応は今回だけの特別な措置なのか。

ドワンゴ これは世の中の関心の大きさに関係するのではないか。商標登録したとする声明は、その日のうちにTwitterトレンドに入るなど大きな騒ぎになった。ネット上のミーム(動き・行動)を全てこういう形でやり切れるかというと、量がたくさんあり、そこまでの対応は難しい。われわれとしてクリエイターにどれだけインパクトがあるかで、都度案件ごとに対応していくものだと考えている。今回で知見がたまったため、同様のことがあれば即座に対応できるし、先手を打って守らないといけないものは、今後、検討し、対応する。

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