楽天モバイルが5月13日に発表した新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」で、現在の料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」にある、月額0円で利用できる仕組みを廃止したことが波紋を呼んでいるようだ。そもそもなぜ楽天モバイルは月額0円という仕組みを導入し、なぜそれを廃止することとなったのだろうか。振り返ると見えてくるのは、楽天モバイルに相次いで降りかかった“誤算”の数々である。
2021年4月に、自らインフラを持つ携帯電話会社として本格サービスを開始した楽天モバイル。以前MVNOとして提供していたサービスと合わせると契約数は2022年3月時点で568万、MVNOの契約数を除いても491万と、間もなく500万に到達する勢いで急速に利用者を増やしているのだが、その原動力の1つとなっているのが料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」の存在だ。
このプランは使用した通信量に応じて料金が変わる段階制を採用しており、どんなに利用しても月額3278円、月当たりの通信量が1GB以下であれば月額0円という、従来の常識を覆す内容となっている。月額0円でも、国内通話が無料になる「Rakuten Link」が使える、「楽天市場」で買い物をする時のポイント付与率が1%増えるなどのメリットがあることから、月額0円での運用を前提に、楽天モバイルをサブ回線で使うべく契約している人も多い。
だがそうした人達に衝撃を与えたのが、楽天モバイルが2022年7月1日より提供予定の新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」である。これは要するに、Rakuten UN-LIMIT VIから月額0円で利用できる仕組みをなくしたもので、どんなに通信量を抑えても月額1078円かかってしまう。
もちろん楽天市場でのポイント付与率がさらに1倍追加されるなど、新料金プランにはいくつかメリットも追加されているのだが、月額0円での利用を前提にしていた人にとっては大幅値上げでしかない。そうしたことから新料金プランはSNSなどで多くの批判を集めているようだが、なのであればなぜ、楽天モバイルはこれまで「月額0円」という仕組みを提供してきたのか? という疑問もわくのではないだろうか。
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