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GIGAスクールのiPad授業、実際はどんな感じ? 墨田区錦糸中学校が実践していること(1/4 ページ)

» 2022年04月26日 14時58分 公開
[弓月ひろみITmedia]

 文部科学省がGIGAスクール構想を2019年に提唱し、2022年で3年目に入った。Appleによれば、この制度によって275万台以上のiPadが導入されたという。現在、どのような教育が行われているのか。iPadを導入している東京都墨田区立錦糸中学校を取材した。

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 まず見学したのは同校1年2組。古賀隆一郎先生が教える社会科の授業だ。

 iPadは生徒1人1台を用意。教室には黒板ではなく大型モニターが用意され、HDMIケーブルでiPadをつなぎ、Keynoteで学習内容を掲示する。テーマは「南アメリカ州を紹介するニュース制作を通して、南米の特色を捉えよう」というものだ。

 この授業では、生徒を3〜4名のグループに分け、iPadを使って、チームでニュース番組を作る。複数回に分かれた継続プログラムとなっており、内容の研究や構成決め、原稿の作成をチーム内で行ってから、撮影に入る。ちょうど取材当日は「撮影」のスキームに入ったところだった。

 撮影時はグリーンバックを用意し、アナウンサー役、ディレクター役、カメラマン役に分かれて、制作を進めていく。筆者はテレビリポーターやアナウンサーの経験があるのだが、役割分担も、さながらプロのコンテンツ制作のようだ。

 使うアプリはあらかじめ教員から提案されている。ニュース動画撮影にはカメラアプリ、原稿提示(アナウンサー役の生徒が読む原稿を掲示して使う)にはPages、撮影後のクロマキー合成にはiMovie、ピクチャーインピクチャーの資料を作成するのにはKeynoteだ。

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photo アナウンサー役の生徒がグリーンバック前に立ち、カメラの位置を確認
photo 原稿を提示するプロンプターに使うのはPages。文字を拡大して見えやすくしてから、ディレクター役の生徒が原稿の読むスピードにあわせて、指を使ってスライドする
photo 撮影もiPadで行う。グリーンバックがきれいに収まるよう工夫を凝らしていた
photo 仕上がりをみんなでチェック。相談しながらリテイクしたり、画角を変えるなど、良いものを作ろうとする姿勢が素晴らしい。

 最後は授業を振り返ったまとめで提出。こうしたフィードバックは、授業で体験したことを自分の意見として、適確に書く練習にもなっているようだ。

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