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シンセサイザー“自作”を始めてみました 「ケースがない」「ないなら印刷すればいいじゃない」3Dプリンタ買っちゃいました(1/4 ページ)

» 2022年04月27日 16時53分 公開
[松尾公也ITmedia]

 シンセサイザーを自作したい。学生の頃からそんなことを夢見ていたが、40年経ってようやくその願いがかないそうだ。

 自作といっても回路から作るとか部品から選んで半田付けして組み立てるとかいうガチなのではなく、だいぶゆるいものだ。

 要するに、ユーロラック(Eurorack)に手を染めてしまったわけだ。

 ユーロラックとは何か。

 楽器としてのシンセサイザーは、音源部分と鍵盤部分が一体化したものや分離したハードウェア、ソフトウェア音源などさまざまな種類があるが、ハードウェアに関しては規格が統一されていて、いろいろなモジュールを組み合わせられるようなものが出てきている。その統一規格がユーロラックなのだ。

 これに近いものは、昔からあった。Moog III、Roland SYSTEM-700、SYSTEM-100Mといったモジュラーシンセサイザーがそれだ。このうちSYSTEM-100Mはモジュールをいくつか持っていたことがある(だいぶ前に手放した)。

photo Roland SYSTEM-100M

 電源とケースが一体化したものがあって、その枠内に、一定の大きさのモジュールを入れていき、それぞれをパッチケーブルで配線して音を出すわけだ。

 ただし、これらの製品はメーカー毎に規格が違っていて、例えばMoogとRolandのモジュールを混在させることはできなかった。

 その規格、ユニットの大きさ、電源、接続ケーブルなどを統一したものがユーロラックなのだ。

 ユーロラックでシンセを組むといっても、パーツやケースを自分の好きなもので組み合わせられるという意味で、「自作PC」にだいぶ近いのではないかなと思う。あれも自作とは言っているけど、CPU、GPU、メモリを自分で作るわけじゃない。あれが自作だとしたら、ユーロラックも自作と主張していいのではないか。

 要するに、単一メーカーのものではなく、複数の会社の製品から自分で構成を自由に決められることに意味があるのだ。

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