緊急事態宣言が明けて早1カ月が過ぎようとしている。段階的な規制緩和のおかげかワクチン接種率の向上からか、新規感染者数は日に日に減少し始めた。いよいよ経済活動の復活による消費活性化を期待したい。
アパレル企業各社の業績を見ると、企業によって明暗が分かれている。2020年のはじめから続くコロナ禍で、人流に変化がおきて生活者のライフスタイルも変わった。生活者のライフスタイルの変化に、いち早く対応できた企業と、できなかった、あるいは出遅れた企業とでは業績に差が生まれたように思う。
そこで今回は、ユニクロと洋服の青山の業績を見ながら、それぞれの企業が抱える現状打破しなければならない課題について考えてみたいと思う。
緊急事態宣言が解除され、リモートワークを実施してきた都内のビジネスパーソンにも“出勤命令”が出始めている。慌ててクローゼットの中からスーツを引っ張り出してみたところ、カビが大量に付着していて着られない……。急いでクリーニング店に駆け込んだり新たにスーツを購入しようとしたりする動きもあるようだ。
しかし、全体的にみるとそうした動きは少数派のようで、一度カジュアルダウンさせたビジネススタイルをドレスアップさせていくのは、開放的な着用感を味わってしまったが故にそれ相応の理由がないかぎり、なかなか元へは戻らない。
そこで、紳士服最大手「洋服の青山」を展開する青山商事の業績について触れてみたい。20年4月〜21年3月期の売上高は1614億円(前年比25.9%減)、営業損益144億円の赤字(前期は8億円の黒字)、純損益は388億円の赤字(前期は169億円の赤字)という厳しい決算となった。
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