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おかえり「MagSafe」「SDカードスロット」――新型MacBook Proで復活したものと消えたもの

» 2021年10月19日 07時30分 公開
[山川晶之ITmedia]

 米Apple初のプロ向けプロセッサ「M1 Pro」「M1 Max」を引っ提げて登場したMacBook Pro。14インチと16インチの2モデル構成になり、2016年から続いたデザインも刷新された。一番目を引くのは縁がより薄くなり、iPhoneのようなノッチを取り入れたディスプレイだが、それ以外もガラッと変わっている。

刷新されたMacBook Pro

 2016年に発表されたMacBook Proは、薄型化、高性能化、インタフェースの刷新が大きなトピックだった。MacBook Pro Retinaモデルに搭載されてきたMagSafe、SDカードスロット、HDMI端子、USB Type-A端子、Mini Displayport端子などを全てUSB Type-Cに統一。USB PD対応の充電器も使えるようになり、厚みのある端子を排除したことでより薄いデザインが実現したものの、USBハブや変換アダプタを使わないと接続できない機器も多く、拡張性が高まったとは言えない状況だった。

2016年に発表されたMacBook Pro 15インチのインタフェース

 今回発表されたMacBook Pro 14/16インチは復活したもの、消えていったものが多くあった。前者ではなんと言っても端子類がMacBook Proに戻ってきたことである。USB Type-Cポート(Thunderbolt 4対応)は4つから3つに減ったものの、磁力で着脱できる電源端子のMagSafeが、より薄型になった「MagSafe 3」となって復活した。

新型MacBook Proでは各種インタフェースが復活

 MagSafeはiPhone 12シリーズから無接点充電規格の名称として再び使用されているが、本家も復活。充電器自体はUSB Type-Cのものを使用しており、Type-CからMagSafe 3に変換するケーブルが付属する。

「MagSafe 3」はUSB Type-Cから変換して利用する

 HDMI端子も内蔵されており、3つのThunderbolt 4ポートを組み合わせて4画面の出力にも対応。M1 Maxでは、6K画面を3枚、4K画面を1枚出力できる高いパフォーマンスも持ち合わせる。SDXCカードスロットも復活しており、カードリーダーを使わずに直接読み書きできる。カメラ愛好家にとってはうれしいアップデートだ。

4画面出力に対応

 筐体サイドのデザインも若干懐かしく感じる。ここ10年のトレンドは、本体のエッジ部分を薄くしてスリムさをアピールするデザインが多かったが、新型モデルではボックスに近い形を採用した。復活とまではいかないが、個人的にはPowerBook G4や初期のMacBook Proで採用されたアルミボディーをほうふつとさせる。

ここ10年のトレンドからすると厚みを感じるボックス型デザインに

 一方で姿を消したのが「Touch Bar」だ。ファンクションキーを置き換える形で2016年のMacBook Proから搭載されたもので、細長いタッチ対応の有機ELパネルを使うことで、スクロールであったりタブの切り替えであったり、ファンクションキー以外の機能が使える利便性を売りにしていたが、あまり浸透しなかった。2019年に登場したMacBook Pro 16インチモデルでは要望の多かったESCキーのみ復活していたが、最終的にはTouch Barの廃止で決着がついたようだ。

2016年に登場したMacBook Pro 15インチモデル。ESCキーも含めて「Touch Bar」に置き換わった
鳴り物入りで登場した「Touch Bar」は新モデルで姿を消した

【修正履歴:2021年10月19日 午前10時30分 充電仕様について一部表記を修正しました】



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