列車が来なくとも、「駅」は街のシンボルであり続ける杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/6 ページ)

» 2021年10月17日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

 大阪・中之島にある京阪電鉄中之島線「なにわ橋駅」のコンコースに「アートエリアB1」という、産・学・NPOによる協創コミュニティーがあると前回の記事で紹介した。

 ここで開催される「鉄道芸術祭」の詳細が発表された。会期は2021年11月20日から22年2月27日まで。テーマは「経済」で、タイトルは「GDP THE MOVIE〜ギャラクティック運輸の初仕事〜」だ。

 「GDP」は「国内総生産」という意味と、アーティストユニット「contact Gonzo」と建築家ユニット「dot architects」の「集まり(Party)」という意味を掛けた。「展覧会と映画制作の構造を活用した独自の視点から経済のあり方を探究」し、「現状を創造的に乗り越えるための指標を導き出す」という。

 プログラムからは「気候変動や大企業の利己的な活動、疫病によって疲弊した地球で、芸術とはなにかを宇宙規模で問いかける作品」と読み取れた。筆者には、さっぱりわからなかったが、そこに鉄道がどう絡むのか。

 運輸というからには輸送システムが扱われるだろう。おもしろそうだから見に行きたい。きっとなにか感じ取れるものがあるだろう。それが芸術との向き合い方だと思う。

 鉄道芸術祭のプレイベントとして、筆者もトークイベント「リアルとフィクションから語る駅・鉄道の新たな魅力」に参加した。今回はその時に話した内容を紹介する。テーマは「リアルとフィクションから語る駅・鉄道の新たな魅力」だ。鉄道芸術祭に参加するアーティスト向けに、駅の面白さを紹介した。

鉄道芸術祭は今年で11年目。第10回は20年から21年の2カ年で開催(出典:京阪電車 なにわ橋駅 アートエリアB1、鉄道芸術祭「GDP THE MOVIE?ギャラクティック運輸の初仕事?」
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