コロナ禍で、駅弁の販売がスーパーや通販にシフトしている。
ユニーの駅弁大会では所定の数が、昼過ぎには早々と完売する日も珍しくない。また、イオンは本格的な駅弁イベントを新しく開催し始めた。
弁当箱の蓋を開けると童謡「ふるさと」のメロディーが流れる「モー太郎弁当」知られる、三重県松阪駅の駅弁業者、新竹商店では通販の売り上げが従来の10倍に拡大した。
これまで、駅弁の主たる販売場所は、東京、新宿、横浜、大阪、新大阪、名古屋、博多、札幌のようなJR主要駅における駅弁売場。または、京王、阪神、鶴屋、松坂屋、さいか屋、藤崎、天満屋などの百貨店で開催される駅弁大会や地方物産展であった。
ところが、感染予防の観点から外出自粛が政府や自治体から要請され、観光旅行・出張と百貨店催事の需要が急激に縮小し、駅弁の売り上げも急減。駅弁業者の大半が、最大で月商の9割以上を失う状況にまで追い込まれた。
そこで駅弁業者が新たな販路として注目しているのが、消費者の自宅の近所にあるスーパーと、巣ごもりしつつ物品を購入できるインターネット通販である。
新型コロナウイルスの感染拡大は第5波のピークが過ぎ、9月末には緊急事態とまん延防止等重点措置が解除され、日本政府は失われた旅行需要を回復させる「Go To キャンペーン」の再開を検討し始めた。
鉄道旅行のお供として、駅で販売されてきた駅弁の売り上げ回復には大変な朗報だが、すぐに観光や出張の需要が元に戻るかどうかは不透明だ。
しかしながら、駅弁業者はコロナ禍で、スーパー向けのセカンドライン、通販向けの冷凍弁当などを新しく生み出し、したたかに生き残りを図っている。
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