JTは2月、2022年1月をめどに日本市場を含むたばこ事業の本社機能を、海外たばこ事業の本社機能があるスイスのジュネーブに統合すると発表。合わせてたばこ事業に関わる約3000人の人員削減と、九州工場(福岡県筑紫野市)の廃止、原料調達機能を西日本原料本部(熊本県合志市)へ集約する、など合理化に向けた方針を示している。
さらに7月には10年ぶりに、葉たばこ農家に対して廃作を募集。国内たばこ事業の総需要減少などが理由だ。
日本たばこ協会によると、紙巻たばこの販売本数は1996年の3483億本をピークに減少を続け2020年は988億本と、1990年の調査開始から初めて1000億本を割った。大きく変化するたばこ市場でJTはどう進んでいくのか。紙巻たばこからの撤退は考えているのか。前編(「JTはPloom XでIQOSに勝てるか 国内事業トップが『真摯に反省する』と語る理由」)に続いて同社のたばこ事業本部、国内たばこ事業CEO福地淳一専務執行役員に聞いた。
――国内たばこ事業と海外たばこ事業の一本化を表明していますが、なぜ一本化が必要だったのでしょうか?
競争に勝つこと、つまり「より良い商品をお客さまにいかに提供できるか」を考えたときに、1つの組織となる選択をしたとご理解いただければと思います。
当社は、1985年に日本専売公社から民営化し、99年にRJRインターナショナル(RJRI)の海外部門を買収するなどしてここまで成長してきました。このような成り立ちから、国内・海外と事業を分けてきたことは、十分なメリットがあったと考えています。
紙巻たばこが中心の時代はそれでも良かったのですが、加熱式たばこが主戦場となってきた中で、競合他社はグローバルのリソースを結集して、日本のマーケットで戦っていることを考えると、私共だけが事業を分けて戦うことは選択肢としてありえないと思っています。
また、国内の営業体制は15支社体制から都道府県単位の47支社体制へと改編します。当社は「ワンチーム」となるべくグローバル体制に向けた組織変更を進めています。しかしそれは、お客さまにとっては関係のないことで、より身近な存在として引き続きお客さまとコミュニケーションを取り、私たちの商品を知っていただける活動を進めていく考えです。
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