「SNSで話題のあの商品はどうやって開発したの?」「なぜこの会社はこんな取り組みを進めているの?」ちょっと気になっていた企業の“なぜ”をコンパクトに紹介します。
サービスや製品に込めた思いや苦労話など、担当者にしか分からない「裏側」を徹底取材。仕事が忙しくて、じっくりと情報を得ることができない人でも読めるよう、できるだけ簡潔にまとめています。テレワーク中の息抜きや移動時間、就寝前に「3分インタビュー」でサクッと情報収集!
びんに入った商品を使い終わった後「ううっ、ラベルがはがれない」そのような経験をした人も多いだろう。ラベルをはがすために、水で濡らしたりスポンジでこすったりと、ささいなことだがストレスを感じていた点だ。しかし先日SNSを見ていると「アヲハタのラベルははがしやすい」といった声があがっていた。
家庭用びん詰ジャム市場の約50%を占めるアヲハタ。実際のところどうなのか少し調べてみると、アヲハタでは2004年からラベルの接着に「はがしやすいのり」を採用しているようだ。ラベルのはがしにくさは昔から多くの人が感じていた悩みの種だったのだろう。
最近では飲料メーカーなどが、省資源化といった観点で「ラベルレスボトル」を発売。サントリー食品インターナショナルでは、巻き付けるラベル用に、はがしやすくペットボトルに残らない新しいのりを開発し、21年7月下旬から導入を開始している。
なぜアヲハタは20年ほど前にはがしやすいのりを開発したのか。開発秘話をアヲハタ技術開発部 容器開発担当の松木透さんと広報室の藤原慎司さんに聞いた。
――SNSなどで「アヲハタのラベル」がはがしやすいと話題になることがありますが、どのような経緯で開発したのでしょうか。
松木: 私が入社する前なのですが、開発を始めたのは2002年です。当時は大量消費から循環型社会に変化しつつあった時代で、リサイクルが注目されはじめ「分別のしやすさ」がポイントとなっていました。その中で、当社にもお客さまから「ラベルがはがしにくいよ」といった声をいただくようになっていたそうです。
一方で、当時使っていたのりにはほかにも課題がありました。はがしにくい半面、冷蔵庫から出し入れする際に結露ができてしまうと、ラベルがはがれてしまうといった欠点もありました。そこで、お客さまの困りごとである「はがしにくさ」の解決と、結露しても「はがれにくい」のりを開発することになったのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング