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バンダイナムコ独自の役職“チーフガンダムオフィサー”を直撃 目指す未来戦略とは1500億円規模に成長(1/4 ページ)

» 2021年09月13日 19時18分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

 今や日本を代表するキャラクター、機動戦士ガンダム。「ガンプラ」と呼ばれるプラモデルの累計出荷数は7億個を超え、時期は未定だが、米ハリウッドでの実写映画化も予定されている。ガンダムの版権を有するバンダイナムコグループにとってもガンダム関連のビジネスは重要な戦略の一つに位置付けられていて、2020年度のガンダムのIP(知的財産)別売り上げが前年度比21.6%増の950億円と過去最高となった。

「ガンプラ」と呼ばれるプラモデルの累計出荷数は7億個を超えた(以下ガンプラは © 創通・サンライズ )

 そんなバンダイナムコグループで、「CGO」というガンダムのIPを統括する役員がいる。「CGO」はチーフガンダムオフィサーの略で、現在はバンダイナムコエンターテイメントの藤原孝史・常務取締役が就いている。「CGO」とはいったいどんな役職なのか。今後のガンダムの経営戦略について藤原CGOに聞いた。

藤原孝史(ふじわらこうじ) 1998年にバンダイ入社、2019年にBANDAI SPIRITS取締役、21年4月からバンダイナムコエンターテインメント常務取締役、第1IP事業ディビジョン・第2IP事業ディビジョン担当 兼 事業戦略担当 兼 チーフガンダムオフィサーに就任。福岡県出身。46歳

ガンダム事業の統括者

――チーフガンダムオフィサー、CGOとはバンダイナムコグループで、どんな位置付けなのでしょうか。

 CGOという役職は、バンダイナムコグループ全般のガンダム事業の統括者という位置付けになっています。グループ全体でみると、玩具などのトイホビー事業もあれば、ゲームを中心としたデジタル事業、ゲームセンターをはじめとしたアミューズメント事業など多様なビジネスをしていますが、それらをガンダムの軸で包括しています。つまりガンダムというIPでビジネスする上で、各社の戦略を把握して事業の最大化につなげるのが私の役割になっています。

――いつごろからCGOという役職を置いているのでしょうか。

 CGOはバンダイナムコグループで2003年から設置されている役職になります。私が就任して現在3年目なのですが、私より前に2人、グループの中でCGOがいました。私は3代目になりますね。

――貴社は、ガンダムのIPを2025年にグループ売上高1500億円規模に成長させていきたいという目標を掲げていますが、今後は積極的な海外展開を進めていくお考えでしょうか。

 まだまだ国内の比率も大きいので、まずは国内の市場も維持し、海外事業を広げていくことも必要だと思っています。いまは海外の需要がどんどん高まっている体感もあります。ただ、一口に海外といっても、売り上げの大半がアジア市場に比重があり、次いで北米市場というのが現状です。「世界」といっても非常に限定的なエリアしか展開できていない状況なので、ヨーロッパをはじめ、他のエリアにも広げていきたいですね。

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