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ソリューション営業の崩壊と営業の次のステージ 2/2

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昨日のブログでは、ソリューション営業がなぜ崩壊するかを説明しました。そして、この状況に対処するためには、「提言営業」にステージを移さなくてはいけないことを説明しました。では、具体的にどうすればいいのかについて、今日は解説します。

お客様の事業や経営について、デジタルを前提に再定義し、お客様の「あるべき姿」を提言することからはじめるのです。そして、「なるほど!」と感じてもらえる提言ができれば、お客様の心を掴むことができます。お客様の脅威と期待を包み込む靄(もや)を全て吹き払うことができなくても、一陣の風を送り込むみ、その隙間からすこしでも未来を見通すことができれば、議論や対話のきっかけが生まれます。その議論や対話を深めれば、自ずと課題は明らかとなり、取り組むべきテーマも見えてきます。それが、案件獲得につながるのです。

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もちろん簡単なことではありません。デクノロジーのトレンドを見極める目利き力、わかりやすく伝える説明力、議論を深めテーマに導く対話力など、提言営業に求められる能力は、ソリューション営業と同じではありません。しかし、ソリューション営業では役割を果たせないのであれば、営業としての役割を再定義しなくてはなりません。

AIによって置き換えられる仕事の上位に「営業」は位置付けられています。しかし、それは、お客様の「求める要求」に応えることを生業としてきた従来型の「営業」です。何を知りたいかをインプットすれば、その答えを即座に教えてくれるGoogleの検索に、人間はかなわないと同じです。しかし、自分が何を知りたいのかをGoogleで検索しても、見つけることはできません。

「マシンは答えに特化し、人間はよりよい質問を長期的に生みだすことに力を傾けるべきだ。」

"これからインターネットに起こる『不可避な12の出来事』"の中で、ケビン・ケリーが述べた言葉です。

「提言営業」に求められる能力は、まさに「よりよい質問」を生みだす能力です。これからのテクノロジーの進化を俯瞰し、お客様の事業や経営に思いを馳せ、お客様の向きあうべき課題や、取り組むべきテーマを教えてあげる教師としての役割を果たすことが、求められるのです。

「提言営業」の営業活動は、お客様について、お客様以上にビジネスや業界、テクノロジーについて考察し、お客様と一緒になって変革のビジョンを創り、そのための課題を整理し、解決策を創り出さなくてはなりません。そしてお客様から、新しい気付きを引き出し、お客様自身が自らのビジョンに確信が持てるように支援できなくてはなりません。言葉を換えれば、「お客様との共創をプロデュースする」営業です。そこに役割を果たすことができて、営業は、お客様にとって存在価値を持つのです。

デジタル・トランスフォーメーションは、ビジネスとITの一体化を推し進めようとしています。そんなお客様の取り組みに関わり案件をつかみたければ、「提言営業」が、最も理にかなったスタイルと言えるでしょう。

このような「提言営業」としての活動を行うためには、お客様の中の変革の推進者をカウンターパートとしなければなりません。彼等は、必ずしも役職は高くはないかもしれませんが、変革に人一倍情熱を持ち、リスクを負ってでも推進しようとする存在です。そんな変革の推進者を見分ける方法は、さほど難しくはありません。まず、彼の言動に注意深く耳を傾けることです。

こちらが変革のプロセスやビジョンに関わる提言の機会を求めたとき、社内のキーパーソンを自ら集め、その場を作ってくれる人ならば、紛れもなく変革の推進者です。彼は、自分の能力や役割を理解し、人や組織をつなげ、巻き込むことが変革に重要であることを理解しています。彼が声をかけると、しかるべき立場の人が集まるとすれば、彼には人望があり信頼され期待されていることが分かります。このような変革の推進者をパートナートとして、彼の志や取り組みに貢献することが、「提言営業」としての営業活動です。

次のような発言が相次ぐようでは、たぶん彼は変革の推進者ではありません。

「私は何度も言ったのですが、会社は変わろうとしてくれません。」

「変わらなくちゃいけないことは分かってはいますけど、まずは自分の足下を何とかしなければなりませんからね。」

「変わらなきゃいけないと思っていることも、このままじゃいずれ厳しくなることも分かっています。ただ、私の役割を超える話だし、自分だけでは何ともなりません。上の人が動かなきゃ、やっぱりだめでしょ。」

間違ってはいないし、彼は役割を果たしている人に違いありません。しかし、抵抗に遭っても変革を推進する意志を持っている人ではありません。

プロダクトのコモディティ化が加速し「プロダクト営業」だけでは限界になりました。そこで、お客様個別の課題を起点に解決策の組合せを提供する「ソリューション営業」が注目されるようになりました。そのソリューションのコモディティ化が急速に進みつつあるいま、新たな価値に営業力の源泉を求めなくてはならなくなりました。それが、「提言営業」です。

DX」や「共創」という看板を掲げるのであれば、まずは、その入口である「提言営業」ができなくてはならないでしょう。

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【募集開始】次期・ITソリューション塾・第38期(106日〜)

次期・ITソリューション塾・第38期(106日 開講)の募集を始めました

ITソリューション塾は、ITのトレンドを体系的に分かりやすくお伝えすることに留まらず、そんなITに関わるカルチャーが、いまどのように変わろうとしているのか、そして、ビジネスとの関係が、どう変わるのか、それにどう向きあえばいいのかを、考えるきっかけになるはずです。

また、何よりも大切だと考えているのでは、「本質」です。なぜ、このような変化が起きているのか、なぜ、このような取り組みが必要かの理由についても深く掘り下げます。それが理解できれば、実践は、自律的に進むでしょう。

  • IT企業にお勤めの皆さん
  • ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
  • デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん

そんな皆さんには、きっとお役に立つはずです。

特別講師の皆さん:

実務・実践のノウハウを活き活きとお伝えするために、現場の最前線で活躍する方に、講師をお願いしています。

戸田孝一郎氏/お客様のDXの実践の支援やSI事業者のDX実践のプロフェッショナルを育成する戦略スタッフサービスの代表

吉田雄哉氏/日本マイクロソフトで、お客様のDXの実践を支援するテクノロジーセンター長

河野省二氏/日本マイクロソフトで、セキュリティの次世代化をリードするCSO(チーフ・セキュリティ・オフィサー)

最終日の特別補講の講師についても、これからのITあるいはDXの実践者に、お話し頂く予定です。

詳しくはこちらをご覧下さい

  • 日程 :初回2021106()~最終回1215() 毎週18:3020:30
  • 回数 :全10回+特別補講
  • 定員 :120
  • 会場 :オンライン(ライブと録画)
  • 料金 :¥90,000- (税込み¥99,000) 全期間の参加費と資料・教材を含む

詳細なスケジュールは、こちらに掲載しております。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【9月度のコンテンツを更新しました】
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研修パッケージ
・【新規】IT営業向け講演資料・正解のない時代に営業は何をすべきか
・【改訂】総集編 2021年9月版
・【改訂】DX基礎編 デジタルトランスフォーメーションの本質とビジネス戦略
・【改訂】SI事業者のための最新のITトレンドとビジネス戦略 1日研修パッケージ
・【改訂】新入社員のための最新ITトレンド1日研修・2021年版・パッケージ
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ビジネス戦略編・DX
【改訂】デジタル化とは何かp.6
【新規】デジタル化とはレイヤ構造化と抽象化 p.12
【改訂】デジタル化がもたらすレイヤ構造化と抽象化/デジタル化p.13
【新規】VUCAの時代の課題解決に対するアプローチ p. 27
【新規】DXとはVUCAの時代に対応するための変革 p. 48
【新規】DXの定義 p.49
【新規】DXの定義 p.50
【新規】DXの目的 p.51
【改訂】DXの公式 p.115
ビジネス戦略編・その他
【新規】優秀なエンジニアのマインドセット p.143
【新規】優秀なエンジニアになるための自律的サイクル p.144
サービス&アプリケーション・先進技術編/AIとデータ
【新規】特化型人工知能(AI)と汎用型人工知能(AGI) p.15
【新規】教師あり学習と教師なし学習 p.126
【新規】強化学習 p.127
ITインフラとプラットフォーム編
【新規】ゼロトラスト・ネットワークによるセキュリティ p.116
開発と運用 編
【新規】作らない技術を前提としたシステム p.9
【新規】ITの変化とビジネス対応 p.10
【新規】「作る技術」から「作らない技術」へ p.11
【新規】「作らない技術」のスタック p.12
下記につきましては、変更はありません。
 ITの歴史と最新のトレンド編
 サービス&アプリケーション・基本編
 サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
 クラウド・コンピューティング編
 テクノロジー・トピックス編

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