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VRイベント人気も収益厳しく“やりがい”頼み……有志イベントにみる「新しい稼ぎ方」とは(1/2 ページ)

» 2021年09月03日 08時00分 公開
[武者良太ITmedia]

 毎日のように、メタバース(多人数が参加できる仮想空間)のどこかでVRイベントが開催されている。8月28日にはソーシャルVRサービス「VRChat」を使ったVR展示即売イベント「バーチャルマーケット」の第6弾が閉幕した。筆者はVRChat内の友人と会場を巡り、バーチャル秋葉原駅の様子アバターを使った楽しみ方をレポートした。

 コロナ禍の今、音楽フェスや同人誌即売会、お祭りなどリアルなイベントに参加するのは難しい。ヘッドセットを着ければ移動時間ゼロでさまざまなイベントを楽しめるVRが普及してきたのは、時代のニーズに合っているといえる。しかしそんなVRイベントにも課題はある。収益性だ。

photo バーチャルマーケット6で友人と記念撮影

人気高まるVRイベント 2日間で400万人超を集めた例も

 人気のVRイベントには世界中から多くの参加者が集まる。世界最大級の音楽フェス「グラストンベリー・フェスティバル」の一部をVR上で開催した「Lost Horizon」(2020年7月3〜4日)の視聴者数は436万人を記録した。PCやスマートフォンのWebブラウザからも参加できたとはいえ、この数字は驚異的だ(19年の同フェスのリアル参加者は約20万人)。

Lost Horizonの様子

 日本では、バーチャルマーケット第5弾(20年12月19日〜21年1月10日)の来場者数が100万人を超えた。参考までに「コミックマーケット97」(19年12月28〜31日)の来場者数は約75万人。コミケに比べて開催期間が長く、24時間アクセスできる点を考慮しても、開催5回目にしてすでに高い注目を集めていると分かる。

バーチャルマーケット5の紹介動画

 大規模なVRイベントでは参加人数が増えるほどシステムの負荷が高まり、フレームレートが大幅に落ちるといった課題が出てくる。多数の参加者を見込むVRイベントは、1つのワールドで複数のインスタンス(VRプラットフォーム上の部屋のようなもの)を立ち上げて、快適な空間を維持しながら同時接続者数を増やす対策を採っている。

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