人事改革、続けて10年──日立がジョブ型移行プロジェクトに託した「思い」日立の大改革【前編】(1/2 ページ)

» 2021年07月26日 07時00分 公開
[房野麻子ITmedia]

 「このままでは会社がつぶれてしまう──」

 2008年のリーマンショックで戦後最大の赤字を経験した日立製作所。当時の危機感が、事業のグローバル化、そして今行われているジョブ型の人事制度への転換につながっている。そう説明するのは、同社でジョブ型雇用への移行プロジェクトを進める岩田幸大氏(日立製作所 人財統括本部 人事勤労本部 ジョブ型人財マネジメント推進プロジェクト 企画グループ長)だ。

 ここ数年、ジョブ型という言葉をよく耳にするようになった。会社が職務の内容や必要なスキルをジョブディスクリプション(職務記述書)に記載し、その職務内容に適した人材を割り当てる人事制度で、欧米では一般的なものだ。

 日立は20年4月からジョブ型の人材マネジメントを強化して注目を集めているが、グローバル基準に見合う人事制度への移行は、日本にジョブ型という言葉が広まるよりもずっと前から行っていたという。詳しい話を聞いた。

岩田幸大氏(日立製作所 人財統括本部 人事勤労本部 ジョブ型人財マネジメント推進プロジェクト 企画グループ長)、取材はオンラインで行った

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