東京・東銀座駅から徒歩2分の場所にコメダの新業態店舗「KOMEDA is □」(以下、コメダイズ)がオープンした。店内を包むコーヒーの香りやシロノワールやサンドイッチなどのなじみのあるメニュー、本棚に置かれた新聞や雑誌など一見、通常のコメダ珈琲店と見分けがつかない。
どこが「新業態」なのだろうか? 最大の違いは「コメダイズで提供する全メニューがプラントベース(植物由来原料)100%」という点だ。おいしいコーヒーと落ち着ける空間で、日々の生活に「くつろぎ」を提供してきたコメダ。そんな同社が「地球とくつろぐ」ことを目指して2020年7月にオープンしたのが「コメダイズ」だ。
コメダイズでは、「お肉を休む日を、つくろう。」というメッセージを発信している。コメダは、同店の開業にあたり地球温暖化の大きな原因の一つである「家畜」に注目した。飼育されている1頭の牛が1日に排出するメタンガスは160〜320リットルに上るといわれている。また、食肉1キロを生産するには、その数倍〜数十倍もの穀物が必要であり、水や牧草地も大量に消費することから畜産による水質汚濁や森林破壊も問題になっていると指摘する。
同社の杉野正貴執行役員は「私も肉が好きなので、毎日は難しいですよ。ただ、週に1回、月に1回肉を食べるのを休む日を作ることが大事です。地球に対して”いいことをしている”という体験が心の”くつろぎ”につながっていくと考えています」と話す。
コメダイズで販売するメニュー数は117品。全てがプラントベース100%で、開発には1年以上の歳月がかかった。人気メニューは「べっぴんバーガーアボ照り」(1280円)、「プラントベース ミックスサンドイッチプレート」(1280円)、「プラントベース シロノワール」(880円)だという。
「べっぴんバーガーアボ照り」「プラントベース シロノワール」と肉感が求められる「プラントベース ハンバーグ」(1390円)、「大豆の酢豚」(890円)を注文して、食べてみた。
「普通においしい」が正直な感想だった。アボ照りは大豆ミート以外にもアボカドなどの野菜がサンドされているため、他の具材と相まって物足りなさを感じにくいようになっていた。シロノワールも、アーモンドミルクから作ったアイスクリームがさらっとしていた印象はあるものの、口触りや味などはコメダ珈琲店で提供されているシロノワールだった。
やはり気になったのは「ハンバーグ」「酢豚」だ。ハンバーグは手の平でぎゅっと潰して焼いたような詰まった食感で、ふっくら感が物足りなかった。酢豚は、豚肉特有の弾力が少し足りない気がしたものの、「大豆ミート」と言われず口にしたら「こういう肉もあるのか」と納得する味だった。
「おいしいけど、どこか違和感が残る」――なんとも言い表しにくい違和感の正体は何なのだろうか? 杉野氏はそれを「次に挑戦したいこと」の1つとして挙げた。
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