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今こそ休む! 日本に“長期間休める企業”が必要なワケ河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/3 ページ)

» 2022年01月28日 07時00分 公開
[河合薫ITmedia]

 「働かせ方」の二極化が拡大しています。

 「給料上げなくても大丈夫。だって今、辞める人なんていないでしょ」と、コロナ禍の厳しい状況を逆手に低賃金で雇い続ける、いわゆる“ブラック企業”と、「会社を支え、発展させるのは社員だ!」と、賃金を上げ、リモート勤務を利用することで地方移住を後押し、休暇制度も充実させる“ホワイト企業”です。

 先行きが不透明なコロナ禍だからこそ、トップの経営手腕が問われているのに、前者のトップは怠慢な経営を続けている残念な経営者です。一方、後者のトップは自らも学び、確固たる経営哲学のもと経営改革を進めています。

 かたや、働く人たちも「他に行くよりマシだと思う。我慢するしかない」と心の蓋を閉める人と、「自己を犠牲にしてまで、会社に尽くしても無駄」と、働き方を変える人に分かれています。

「働き方」「働かせ方」が二極化している(提供:ゲッティイメージズ)

 むろん、我慢してる人たちだって「余裕があれば、私だって……」と思っているのかもしれません。しかし、どうにかしたくても心が動かない。心が疲れすぎていて、前に進もうという感情が一向に湧き立たないのです。

 そんな時は時間に追われる生活に距離を置き、新たな“人生のシナリオ”作りをする必要があるのですが、なかなかそういった機会を持つのも難しい──。

 そんな中なんと、その「人生のシナリオを作る時間」を会社側が準備してくれる、という夢のような制度が報じられました。

 1月20日、JR東日本が、「全社員を対象にした最長2年間の新休職制度」を4月に設ける方針であると分かりました。休暇中は無給になりますが、留学も、資格取得も、不妊治療や介護などに使ってもOKです。

 また、全日空では「キャリアデザイン休職」という長期休暇制度を、労働組合に提示したとされています。1年以上休職する場合、補助金を20万円程度支給することも検討しているそうです。

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