日本コカ・コーラは1月25日、新ノンアルコールブランド「よわない檸檬堂」を立ち上げ、2月21日から全国で販売を始めると発表した。ノンアルRTD市場の拡大を踏まえ、飲酒をしない潜在層の需要を取り込んでいく。
よわない檸檬堂は、厳選したレモン果汁とジンに使用するスパイスを使い、レモンサワーテイストを目指したノンアルコール飲料だ。350ミリリットル缶で希望小売価格は132円(税別)。全国販売に先立ち、コンビニでは2月7日からの販売を予定している。
同社によると、本ブランドはコカ・コーラ社初のノンアルブランドになるという。なぜ日本で売り出すことになったのか? 背景には、ノンアルRTD市場の拡大があった。
日本コカ・コーラが実施した調査によると、ノンアルRTD市場は2017年から継続的に成長しており、21年には17年と比較して金額規模で1.5倍伸長した。ノンアルRTDの市場規模(136億円)は、RTD(5197億円)と比較してまだ小さいものの、同社は近年の成長度合いから考えて、ポテンシャルのある市場と捉えているという。
同社のマーケティング本部アルコールカテゴリー事業本部ブランドマネージャーの岸田卓真氏は、ノンアルRTD市場が拡大を続ける理由として「生活者の飲酒に対する価値観の変化」を挙げた。
「厚生労働省の調査から、10〜19年の10年間で酒を飲む人そのものが減少していることに加え、飲酒をする人も飲む頻度を減らしていることが分かります。当社としては、本来酒が飲める人、好きな人が”あえて飲まない”選択をするという価値観が浸透してきていることに注目しています。健康意識の向上が生活者の行動変容を引き起こしたと考えています」(岸田氏)
同社はブランドのターゲットとして、30〜49歳の男女を挙げている。20代のほうが”あえて飲まない”選択をする傾向にあるように感じるが、なぜターゲットから外したのだろうか?
「30〜40代に設定した理由は、飲酒習慣があったが、”あえて飲まない”を選択した人が楽しめる商品として販売していくためです。20代を排除するわけではなく、飲まない選択をする全ての層に届けていきたいです」(岸田氏)
同社は今まで、本来酒が飲める人が運転などの理由で「我慢」「妥協」してノンアルを飲んでいると考えていたという。今回、生活者の価値観変容を受け止め、ノンアルコール市場に参入していく。多くの飲料メーカーがしのぎを削る中で、「よわない檸檬堂」は生活者から選ばれる存在になれるか。
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