クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

なぜクルマのホイールは大径化していくのか インチアップのメリットとホイールのミライ高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)

» 2022年01月18日 08時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

 SUVのブームが続いている。SUVの特徴は、高めの車高と大径タイヤで、オフロードの走破性が高い印象を与えるスタイリングだ。実際の走破性はともかく、これまでにはない都会的かつワイルドなムードが新鮮で、魅力的なのだ。デメリットは車高が高いことと、大柄なため燃費が若干低下することだが、スタイリングが放つ魅力には敵わないようだ。

 SUVだけでなく、Lサイズの高級セダンやミドルクラスセダン、コンパクトカーや軽自動車までほぼ全てのクルマのホイールが、モデルチェンジごとに大きくなっている。タイヤ外径も大きくなっているが、それ以上にホイール径が拡大しているのだ。

年々、クルマのホイールは大きくなっていっている

 振り返ればこれまでの30年間、全体的にクルマのホイール径はサイズアップされる傾向にあった。そのきっかけとなったのは、低扁平(へんぺい)率なタイヤの登場だ。日本では1980年代後半からタイヤの幅に対して高さ(タイヤの厚み)が60%となるいわゆる60扁平のスポーツラジアルが登場し、そこからタイヤは低扁平への進化が続いている。タイヤの厚みが減れば、同じ外形ならばホイールは大径化する。これが、ホイール大径化の理由の1つだ。

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