M&A後の新会社で「ゼロから人事制度を作る」 両社が折り合わない時にプロが選ぶ方法とは突然のM&A その時、人事がキーマンになる(1/2 ページ)

» 2022年01月14日 17時00分 公開
[桐ケ谷優ITmedia]

連載:突然のM&A その時、人事がキーマンになる

 離職者が増加、「買収される側」の社員が反発、「買収する側」の社員にも不安と不信感が広まる──M&Aで起きてしまいがちな失敗を回避するための鍵は、“人事”の仕事にあった。人事コンサルタントの桐ケ谷優氏が、「M&Aを成功に導く、人事領域の対応」について解説する。

 前回はM&Aプロセスの人事施策の中でも、人事担当者たちにとって特にハードルの高い「人事制度統合のポイント」について解説した。

 人事制度統合時に生じる「人件費上昇リスク」「法的リスク」「モチベーションリスク」「運用リスク」の4つの人事リスクを正しく認識し、統合会社としての優先順位を定めた上で、1社2制度の併用、買収側の人事制度への片寄せ、ゼロベースでの人事制度設計のいずれかを選択していく必要がある。

photo 画像はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

 今回は、その中でも特にハードルが高い「ゼロベースで統合会社の新たな人事制度を設計」する際の留意点について解説したい。

時間がかかっても「ゼロベースでの人事制度構築」が良い理由

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