リテール大革命

無人販売のキモは? シャポー船橋でパンを販売して、分かってきたこと「実証実験」の結果(1/5 ページ)

» 2021年12月08日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 無人販売が増えてきた。冷凍ギョーザの店もあるし、中古家電を扱っているところもあるし、古着、中古本、くだものなどもある――。ここ数年で増えたきたように感じるが、筆者はちょっとした共通点を発見した。いずれも路面店舗で運営していることだ。「そー言われてみると、そーかも。イオンやららぽといったショッピングセンターの中にはないなあ」と思われたかもしれないが、ないかなないかなと思って調べてみたところ、あったのだ。

 ジェイアール東日本都市開発(東京都渋谷区)が駅ナカの商業施設で“実証実験”という形で、無人販売を展開していた。サービス名は「EKIPICK MART(エキピックマート)」。総武線船橋駅に直結している商業施設「シャポー船橋」で展開していることを知って、現地に足を運んだところ、目に現れたのはコンビニなどに置かれているショーケースである。

シャポー船橋内に設置されている無人販売所「EKIPICK MART」

 サイズは高さ190センチ、横119センチ、奥行き68センチ。このケースの中で何が販売されているのかというと、シャポー船橋で店舗を構えている「ル ビアン」のパンを販売しているのだ。JR系の商業施設の中で販売していると聞いて、「どーせ改札の近くにあるんでしょ。人がたくさん歩いているんだから、そこそこ売れているはず」と想像されたかもしれないが、ケースは「一等地」とは言えないところに設置されている。

バーコードリーダーなどのほかに防犯カメラも設置されている

 この商業施設は東西に伸びていて、西側に改札がある。というわけで東に行けば行くほど人通りが少なくなるわけだが、その最果ての入口付近にひっそり設置されているのだ。ぼーっと歩いていると、気付かないまま通りすぎそうになるが、同社はなぜこのようなビジネスを始めたのだろうか。

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