JCBカード、漢字「一」あしらうデザインへ きっかけはタッチ決済(1/2 ページ)

» 2021年12月08日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 JCBが12年ぶりにオリジナルカードのデザインを刷新し、昨今のトレンドに沿ったデザインに生まれ変わった。この変更の背景には何があったのか。

 新デザインでは、ほぼ単色のカラーに漢数字の「一」をモチーフとしたシンプルなデザインを採用した。JCBイシュイング本部イシュイング推進部企画グループの角谷順副主事は、このデザインについて、次のように話す。

 「シンプルなので、下手をするとポイントカードみたいになってしまう。その中で、メッセージ性のあるものにしたかった。JCBが日本発のカードブランドなので、和のテイストを持ち、日本唯一の国際ブランド、第一にサービス提供していきますというポリシーを元に“一”をあしらった」

JCBイシュイング本部イシュイング推進部企画グループの角谷順副主事と、同長井賀奈慧氏

 デザイン面で特に難しかったのが上位カードだ。一般カードは銀、ゴールドカードは金だが、その上のプラチナ、ゴールド・ザ・プレミア、プラチナ、ザ・クラスなどは、シンプルなデザインでは差別化に苦労したという。表面に番号を記載せず、そのため番号のエンボス加工もなくなったため「銀の要素がなくなってしまった」のが難しいところ。そんな中、ザ・クラスはペガサスがシンボルだったので、高級感を残すようにと決まったという。

 なお、39歳以下限定のカードWについても、表面番号レスの新デザインに切り替わる。

 今回JCBが採用した、シンプルな単色デザイン、エンボスレス、表面番号レスは業界全体のトレンドだ。2020年1月に、国内で三井住友カードが初めて表面番号レスカードを投入して以来、各社は番号レスを進めてきた。もはやカード番号を表面に付けないのは、新規発行カードでは当たり前となりつつある。

主なクレジットカード各社のデザイン変更

 その上で、クレディセゾンと三井住友カードは裏面からも番号をなくした完全番号レスを導入。さらに、三井住友カードはプラスチックカード自体をなくした“カードレス”クレカも提供を開始しており、クレディセゾンも同様の計画がある。

 JCBとしては裏面の番号レスも検討したが、「第一歩として、番号裏面のものを提供」(角谷氏)する考えだ。ユーザーの反応を見ながら、次の展開も検討する。

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