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タチコマのように並列化し進化する、 Google親会社の日常家事ロボットGoogleさん(1/3 ページ)

» 2021年11月27日 08時00分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 テクノロジー界隈がやたらと「メタバース」を喧伝する昨今ですが、そんな中Googleさん(の親会社のAlphabet)はひっそりとロボット関連事業の進捗を発表しました。

 Alphabetは数年前からロボット事業に取り組んでいますが、ようやく「モラベックのパラドックス」を克服できるかも、という光が見えてきたんだそうです。

 モラベックというのは1980年代の未来学者、ハンス・モラベック博士のことで、このパラドックスは「高度な推論よりも感覚運動スキルの方が多くの計算資源を要する」というもの。大雑把に言うと、ロボットにとっては、「(人間にとって)難しいことは簡単で、簡単なことは難しい」ということです。洗濯物干しとか、チェスはさっぱりな私にでもできる家事が、ロボットにとってはものすごく難しいらしい。

 それができるようになりそうなんだそうです。Google本社キャンパスらしきところを、Googlerに混じってロボットがころころ移動したり、カフェのゴミを分別したりしている風景は、なかなかインパクトがあります。

 cafe キャンパスの片隅で一人黙々とゴミを分別するロボットくん

 Alphabetはかつて、がんがんロボット関連の企業を買収したと思ったらどんどんそれらを売却し、どうなることやらと思いましたが、ロボット関連の責任者がアンディ・ルービンさんからハンス・ピーター・ブロンドモさんに変わった2016年から、プロジェクトが動き出していました。

 hans ハンス・ピーター・ブロンドモCRO(最高ロボット責任者)。Appleでハイパーカードにたずさわったこともあるそうですが腕に巻いているのはApple Watchじゃないようです

 ムーンショット部門「X」でブロンドモさんが率いるチームは「人間の日常的な作業を手伝えるロボットを作るぞ」ということで「Everyday Robot Project」となり、このたびXから卒業して(「プロジェクト」がとれて)「Everyday Robots」という企業になりました。

 日常を助けるロボットというのは、例えば洗濯物を干したり、掃除をしたり、調理をしたりする、お手伝いさんロボットです。モラベック博士が「ロボットが苦手」とするこうした仕事を、安心して任せられるようになるのでしょうか?

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