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「漫画村」の4倍規模 違法漫画サイトへの月間アクセス数は4億目前に ABJ調査

» 2021年11月29日 14時44分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 出版物の海賊版サイト上位10サイトへの10月分の合計アクセス数は、4億の大台目前――海賊版対策を進めるABJが29日、そのような調査結果を発表した。10サイト合算で3億9833万アクセスを記録し、11月に閉鎖した「漫画BANK」を3位に含む上位3サイトの合計アクセスは初の3億超。前年同月と比較して3倍以上に増えている。

アクセス数上位3サイトの推移

 上位2サイトについては、9月からアクセス数が118〜120%増しており、伸びを抑えきれないと説明。11月に閉鎖した漫画BANKのユーザーも、他サイトに移動することが予測できるため11月のアクセス数も純減とならないのでは、と指摘する。2018年4月に閉鎖した「漫画村」は当時、最大1億アクセス数を記録していた。

上位10サイトの月間アクセス数

 上位10サイトの中で、タダ読みされた出版物の被害金額を試算可能な範囲で算出したところ、2021年1月から10月までで7827億円となり、20年の年間被害額である約2100億円を大きく上回っているという。出版業界の諸問題を科学的に調査する出版科学研究所によると、漫画の紙と電子の正規市場の20年の合計金額は、6126億円だったとしている。

 ABJでは、海賊版サイトのリストを作成しており、現在400サイトほどをリスト化。会員社や関連団体、業者に配布してサイトの削除要請やフィルタリングによる検索結果とアクセスの抑止、ネット広告出稿停止などに活用する。この結果は、29日に総務省が開催した「インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会(第5回)」で提言している。

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