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ヤフー、米国側とのライセンス契約終了へ ロイヤリティーなしで「Yahoo!」ブランド利用可能に

» 2021年07月05日 17時02分 公開
[井上輝一ITmedia]

 ヤフーは7月5日、米Verizon Mediaの子会社であるOath Holdingsとの「Yahoo!」に関するライセンス契約終了などに合意する基本契約を、Verizon Mediaの買収を進めている投資ファンド米Apollo Global Management(以下、Apollo)と6月30日付で結んだと発表した。これによりヤフーはApollo側に1785億円を支払うが、以降はロイヤリティーの支払いなしでYahoo!関連の技術や商標が使えるようになる。

 今回の契約は、Yahoo!関連の商標などを管理する主体が米VerizonからApolloへ移ることを受けたもの。この契約により、ヤフーはこれまでのライセンス契約を終え、関連する商標を日本で取得できるようになる。従来の技術ライセンスを永久に使える権利も得られ、Zホールディングスグループ内でのブランド使用や技術開発に関する自由度も上がるという。

 契約の前提条件に、ApolloによるVerizon Mediaの買収完了などがあるため、支払いなどの時期は2021年後半を見込む。

 「Yahoo!」のブランドについて簡単に振り返る。Yahoo!社自体は1994年に発足したポータルサイト運営企業で、2017年にVerizonが同社の主要事業を買収。Verizon傘下の米AOLと統合してOathとなったが、19年にVerizon Mediaと名称を変えた。そして21年5月、VerizonがVerizon Mediaについて、米投資ファンド大手のApolloへの売却を合意した。売却は21年後半に完了する見込みで、売却後の企業名は「Yahoo」となる。

 日本では、Yahoo!社とソフトバンクとの合弁会社としてヤフー社が96年に発足。VerizonによるYahoo!主要事業の買収に伴い、旧Yahoo!社はAltabaと企業名を変えてヤフーの株を保有していたが、18年にソフトバンクがAltaba所有のヤフー全株式を取得し、ヤフーを子会社化。ヤフーは、Verizon Media(傘下のOath Holdings)とのライセンス契約でYahoo!関連のブランドを使用していた。

【修正履歴:2021年7月5日午後9時 ソフトバンクによるヤフー株取得について、当初「完全子会社化」としていましたが「子会社化」と記述をあらためました】

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