2021年5月末に終了する、写真ストレージサービス「Google フォト」の無料・無制限バックアップサービス。従来は条件を満たせば枚数や容量の制限を受けず写真・動画をクラウドに保存できたが、6月以降はGoogleアカウントごとに割り当てられた容量の中で利用することになる。
仕様変更を機に、有料プランへの切り替えや他社のクラウドストレージサービスへの移行を検討する人も多いだろう。今回は、Microsoftの「OneDrive」と料金体系やサービス内容を中心に、同社の狙いを読み解いていく。
OneDriveもかつてOffice 365(当時)の加入者を対象に容量無制限のクラウドストレージを提供していた時期があるが、想定を上回るヘビーユーザーの出現を理由に断念している。
無料プランの容量は数回の増減を経て、2021年5月現在は5GBとなっている。これに対してGoogle フォトは無料で15GBまで利用できるが、GoogleドライブやGmailなどの他サービスと合わせた容量となる。
Google フォト専用の有料プランはなく、Googleアカウント全体で使える容量を購入する仕組みで、これらのプランは「Google One」と名付けられている。
容量の選択肢はGoogle Oneの方が豊富で、OneDrive単体の家庭向けプランは5GB(無料)と100GB(224円/月)のみだ。ただし、Word、Excel、PowerPointなどのOfficeアプリを利用できるサブスクリプション型の「Microsoft 365 Personal」に加入するユーザーには、OneDriveの容量1TBを付与する。
Microsoft 365ユーザーに限り、200GB刻みで月額224円を課金すれば、最大1TBまでOneDriveの追加ストレージを購入でき、OneDriveの最大容量は2TBとなる。
写真のバックアップという目的で考えると、数TB単位の大容量プランの違いよりも、小容量のプランに注目しておきたい。
最小の100GBプラン同士で比較するとOneDriveがわずかに安いが、数年使い続けて100GBを超えた際、130円アップの200GBプランが存在するGoogle Oneと一気に1TBプラン(Microsoft 365)に飛ぶOneDriveでは大きな差がある。
一方、Google Oneには10カ月分の料金で1年間利用できる、年単位の前払い機能がある。この機能を使った場合、100GBプランでは1カ月当たりの金額は208円。OneDriveを下回る計算になり、Google Oneに分がある。
両サービスには共通点もある。OneDriveは写真の保存に特化したサービスではなく、Googleドライブのような汎用クラウドストレージだ。カメラロールだけでなく、アルバム作成やスマートフォンからの自動バックアップなど、Google ドライブと近い使い方ができる。
MicrosoftはOneDriveをWindowsと統合した形で提供しているが、Windowsユーザーだけにターゲットを絞っているわけではなく、Windows/macOS/iOS/Androidのマルチプラットフォームで利用できる点では遜色ない。
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