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「Google フォト」対「Dropbox」 プランの比較から見る各社の狙いGoogle フォトの容量無制限終了で考える(1/2 ページ)

» 2021年06月03日 15時31分 公開

 2021年5月末に終了した、「Google フォト」の無料無制限バックアップサービス。従来は「高画質」設定(写真は最大1600万画素、動画は1080p)であれば容量や枚数の制限を受けずにアップロードできたが、2021年6月1日以降はGoogleアカウントごとに割り当てられた保存容量を消費するようになる。

photo Google フォトの規約

 今回の仕様変更を巡ってはネット上の反響も大きく、この機会に他社サービスへの乗り換えや自前のNASでの管理を検討するユーザーもいれば、単なる保存スペースではなく強力な検索機能などを評価してGoogleの有料プラン「Google One」への加入を検討するユーザーも多い。

 今回は、競合する他社クラウドストレージサービスの一つである「Dropbox」と料金体系や機能の違いを比較し、各サービスの狙いを読み解く。

Dropboxは大容量プランのみ、経費処理ニーズを見越したライセンスキー販売も

 Google フォトを使い続ける場合は2021年5月までに高画質設定でアップロード済みのファイルは今後も容量にカウントされないが、他社サービスに乗り換える場合は当然全てカウントされる。無料範囲で収めたい場合、他社サービスへの移行はあまり現実的ではないだろう。

 Google フォトの無料容量は15GBだが、これは他社サービスと比較しても多い方だ。各社クラウドストレージの無料プランで利用できる容量を比較すると、iCloudは5GB、OneDriveは5GB、Dropboxは2GBとなっている。ただし、Googleの場合はGoogle ドライブやGmailなど各種Googleサービスの合計容量で、Google フォトだけで15GBをフルに使えるわけではない。

 上記のことから、乗り換えを検討する場合はGoogleの有料ストレージプラン「Google One」と他社の有料プランを比較する場合がほとんどだろう。以下の表は、Google OneとDropboxの料金プランをまとめたものだ。

photo DropboxとGoogle Oneの小容量プランの比較
photo Dropboxの提供プラン

 Google Oneは月額250円から利用でき、100GB、200GBと容量が少なめのプランも用意されていることから、写真のバックアップのみを目的とするユーザーでも手を出しやすい料金体系といえる。

 21年6月現在、Dropboxの個人向けプランは2TBの大容量プランのみ。月額払いであれば1500円、年間払いは1カ月当たり1200円となり、Google Oneで2TB(月額1300円)を契約した場合との差額は200円程度にとどまる。

 ただし、大容量のプランを契約して家族とストレージ容量を分け合いたい場合、Google Oneには基本機能として含まれているが、Dropboxでは上位のファミリープランが必要となる。容量は据え置きで月額料金は1000円も上がるため、容量シェアを想定するならGoogle Oneに分がある。

 ちなみに、Dropboxは正規代理店のソースネクストを通じて、Dropbox Plus(3年版)のライセンスキーを販売している。通常はクレジットカードなどでの継続課金の方が利用しやすいだろうが、パッケージ版ソフトウェアのように販売することで、経費精算で処理したいニーズを狙っているとみられる。

photo ソースネクストで販売するDropbox Plus
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