「静岡新聞SBSは マスコミをやめる。」――こんな決意表明が、静岡新聞の1月11日朝刊とWebサイトに掲載された。静岡県の地方紙・静岡新聞と、グループの放送局・静岡放送(SBS)が“マス向け”のコンテンツ作りを脱し、県民一人一人に向き合う「ユーザーファースト」を掲げるという宣言だ。社員一人一人の実名入り決意表明も掲載されている。
昨年、企業改革の一環で社外の人にインタビュー調査したところ、「一人一人みんな違う」という「当たり前の事実」に気づいたという。一方で、新聞・テレビといったマスコミは「同じものを同時にたくさんの人に届ける」印刷や放送技術をベースに、「マス」向けとして定義されてきた。
しかし今は、SNSなどの普及で、ユーザー一人一人が情報発信できる時代。両社は「マス」というかたまりではなく、「静岡の一人一人と向き合う」ことで、県民がより良く生きるためのサポートをしていきたいと考えたという。
第1弾として、社員一人一人の決意表明を実名入りで新聞に掲載した。「当事者だからこそ書ける記事を書く」「人々の共感を呼ぶクリエイティブを」「全てのニーズに応えられる輪転機」「私の周りにいる仏頂面の人たち…こんな人達が仕切るテレビが面白いわけが無い!ならばまずはあの人達を笑顔にしよう!でなければ県民の皆さんが面白いと笑ってくれるテレビ局になんてなれない!」「余分なものを削る。まず、脂肪から」など、合計1万6000文字にもわたる決意文と署名を、指紋の形にデザインしている。決意の結果は年末に報告するという。
両社の取り組みは、Twitter(@InnoShizuoka)でも紹介している。ツイートも記者の署名入り。決意表明への意見もTwitterで募っている。
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