ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

「さよならau」から一転……KDDIの新プラン「povo」はおおむね好評 その強みとは?(1/2 ページ)

» 2021年01月13日 18時13分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 「auの新プランで心が揺らぐ」「auを見捨てないでよかった」――KDDIが新プラン「povo」(ポヴォ)を発表した1月13日、Twitterで一部ユーザーからこんな声が上がった。つい1カ月前は、新しい5Gプランが条件付き割引を設けている点が批判を集め、「さよならau」「au解約」といったワードがトレンド入りしたが、今回は好意的な意見が目立った。

photo 新プラン「povo」を発表する高橋誠社長

「トッピング」で他社と差別化

 povoは3月にリリース予定。月間データ容量は20GB、月額料金は2480円(税別、以下同)。国内通話の際は30秒ごとに20円の通話料金が発生する。データ容量の上限、契約をネット限定で受け付ける点、若年層をターゲットとする点は、NTTドコモの「ahamo」やソフトバンクの新プラン(名称未定)と同じだが、月額料金は2社の2980円より安価だ。

photo 新プラン「povo」の概要。条件付き割引がなく、シンプルなサービスだ

 さらに他社と異なる点は、ユーザーが期間限定でオプションを適用できる「トッピング」と呼ぶサービスだ。開始当初は「5分以内通話かけ放題」(月額500円)や「データ使い放題 24時間」(1回200円)など数種類だが、順次拡大する予定だ。

 このサービスについても、Twitter上では「シンプルに見せて複雑だ」といった指摘が一部みられたが、「使い勝手が良さそう」「まあまあ攻めている。好感が持てる」「外でテザリングする時だけ使い放題にでき、悪くない」とプラスの評価が目立つ。カスタマイズ性とコストパフォーマンスの高さが強みとなり、好評につながっているようだ。

photo トッピングの一例

 ただし、ahamoやソフトバンクの新プランは、5分までの国内通話は何度でも無料だが、povoはデフォルトでは対応していない。KDDIはこれをオプションとして切り出すことで、月額料金を下げたとみられる。

 また、povoはキャリアメールにも非対応だ。この仕様について、Twitter上では「新プランはいいが、キャリアメールが使えなくなるのはきつい」「まだキャリアメールを使いたい」と、気にする人も散見された。

「トッピング」さらに強化、スポーツや通販との連携も視野

 ユーザーからおおむね好評のトッピング。KDDIはこれを武器として他社との差別化を図る方針だ。高橋誠社長は発表会で「NTTとどう戦っていくかはわれわれの歴史であり、社内は盛り上がっている。NTTとの戦い方を考えた結果、(本体の料金を)安くして、トッピングでいろいろなアイデアを実現できるようにした」と熱弁。NTTの子会社となり、財務基盤などがより強固になるドコモへの対抗心をあらわにした。

 今後の戦略は「特定の映像作品や、SNSが使い放題になるトッピングのメニューも検討中。こうしている間にも、多くの企業から協業を提案するメールが届いている。スポーツ配信で『この試合を見たい』というニーズに応えるものなど、アイデアが豊富に出てくると期待している」(高橋社長)と説明。コマース(通販)サービスとの連携も視野に入れているとした。

photo トッピングは専用アプリでオン・オフを切り替えられる予定だ
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.