クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

圧倒的に正しいEV登場池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/6 ページ)

» 2021年01月11日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 トヨタ自動車は2020年12月25日に、超小型モビリティEV車、「C+pod」(シーポッド)を、法人と自治体を対象に限定して発売した。価格は2グレード構成で165万円と171万6000円(それぞれ税込み)。

トヨタが発売した超小型モビリティEV車、「C+pod」(シーポッド)

 全長2490ミリ×全幅1290ミリ×全高1550ミリ、車両重量670〜690キロ、最小回転半径が3.9メートルの、軽自動車よりコンパクトなボディに、9.06kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。モーターの最高出力は9.2キロワット、最大トルクは56N/mで、最高時速60キロ、航続距離はWLTCモードで150キロと発表されている。充電については単相200V/16Aで約5時間、単相100V/6Aで約16時間となっている。

 つまりは、都市や村落内での移動を前提とした短距離移動用のモビリティであり、従来徒歩移動とクルマ移動の間にあったギャップを埋める新しい乗り物だといえる。

 この領域を埋めるモビリティとしては、スクーターや、キャノピー付きの3輪スクーター、高齢者向きには電動車椅子などがあったが、天気を問わず使いたいユーザーにとっては、どれも耐候性に問題があり、そのため大は小を兼ねる形で、主に軽自動車が運用されてきた。

 つまり、ユーザー側に満たされていないニーズがあり、それにはEVが適しているにもかかわらず、誰も適した商品を用意していないため、日本全国で見れば極めて多くのユーザーが代用品として軽自動車を運用してきたということだ。トヨタは、これらの最適解と出会えていなかった新しいマーケットに対して、ユーザーニーズに圧倒的に適合したキラープロダクツを用意した。それがシーポッドである。

「C+pod」は、最高速度時速60キロ、2人乗りを条件に規制緩和を受けてスタートした新規格「超小型モビリティ」の第1号となった
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