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リモートワークの次の働き方 「平日・都市型ワーケーション」のすすめコロナ禍に最適!?(1/3 ページ)

» 2020年12月04日 16時18分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

 新型コロナウイルスが再び猛威をふるおうとしている。「第3波」と呼ばれる感染拡大の波によって、東京や大阪など4都道府県で時短営業の要請が実施されたほか、再びテレワークに切り替える企業が出てくるなど、さまざまな影響を及ぼしつつある。

 こうした社会の変化に合わせ、新たな働き方として注目されているのが、「都市型ワーケーション」だ。「ワーケーション」とは、労働を意味する「ワーク」と、休暇を意味する「バケーション」を組み合わせた言葉で、本来は観光地やリゾート地でテレワークをする働き方を指す。

phot 社内の体制を完全にリモート化してしまった企業も珍しくない。次の働き方は?(写真提供:ゲッティイメージズ)

休日型と平日型 多様なワーケーションの在り方

 この「ワーケーション」を長時間の移動を伴う都市部から離れた場所で行うのではなく、都市の近郊でリフレッシュできる場所に平日に移動し、効率よく仕事をするのが「都市型ワーケーション」だ。ワークスタイルや組織開発を専門とする作家/ワークスタイル専門家の沢渡あまね氏らが提唱している。

 沢渡氏は、ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、こう説明する。

 「ワーケーションは今まさにニュースタイルの働き方として注目されていて、菅義偉総理もワーケーションを軸に地域を活性化していく方針を打ち出しています。ワーケーションには大きく2つあると考えています。1つ目が『休日型ワーケーション』、2つ目が『平日型ワーケーション』です」

 「休日型ワーケーション」と「平日型ワーケーション」の違いについてはこう説明する。

 「『休日型ワーケーション』というのは、主語は休日です。すなわち休日に個人が観光地に旅をして旅先でついでに仕事をするような働き方ですね。一方の『平日型ワーケーション』は、主語はワークのほうです。つまり平日の業務時間内に出張先あるいは旅先で仕事をするのが主になります」

phot 休日に個人が観光地に旅をして旅先でついでに仕事をするような働き方が「休日型ワーケーション」(写真はイメージ、写真提供:ゲッティイメージズ)

 一般的にワーケーションとしてイメージされやすい、前者の「休日型ワーケーション」には、ある問題もはらむと沢渡氏は言う。

 「休日型ワーケーションには『休みの日に仕事をさせるのか』『休日の旅行先で仕事に集中できる訳がない」などのネガティブな意見もあります。企業サイドにしても、休日をどこまで業務扱いにするのか、経費をどのような扱いにするのかなどというところで、実施するにあたっての壁を感じているところも少なくありません」

 企業側のこういった課題を解決できるのが、「平日型ワーケーション」だ。沢渡氏が続ける。

 「『平日型ワーケーション』は、仕事のついでに観光をしたりおいしい食事をしたりしましょう、そして地域の人と交流して何か新たな地域振興やビジネスアイデアを生み出しましょうというように、仕事においてポジティブにつながる要素も多いのが特徴です」

phot 作家/ワークスタイル専門家の沢渡あまね氏(浜松ワークスタイルLABO所長)
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