クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

三菱自、新型「エクリプスクロス」発売 PHEV投入、国内販売巻き返し図る初のフルモデルチェンジ(1/2 ページ)

» 2020年12月04日 16時48分 公開
[ITmedia]

 三菱自動車は12月4日、SUVの新型「エクリプスクロス」を発売した。デザインを刷新したほか、プラグインハイブリッド車(PHEV)モデルを設定。強みを持つPHEVの車種を新たに市場投入し、国内販売の巻き返しを目指す。

三菱自動車が発表した新型「エクリプスクロス」(PHEVモデル)

事前受注は約2000台

 「中期経営計画では環境技術を強化し、4WD技術を磨き上げる方針を掲げた。その第1弾となるのが、新型エクリプスクロスだ」。同社の加藤隆雄社長はオンライン発表会でそう語った。“三菱のクルマづくり100周年”の2017年にグローバルで発売したエクリプスクロスは同社を象徴するSUVの一つとなっており、新型モデルへの期待は大きい。予約受付開始から1カ月半で約2000台を受注しており、滑り出しは好調だ。

新型「エクリプスクロス」(ガソリンモデル)

 新たに投入したPHEVモデルは、グローバルで販売実績を積み上げてきた「アウトランダーPHEV」で使用する、ツインモーター4WD方式のPHEVシステムを継承。EV航続距離は57.3キロで、日常生活の大半でEV走行が可能だという。駆動用バッテリーの電力でモーター駆動する「EV走行モード」、エンジンで発電した電力でモーター駆動する「シリーズ走行モード」、エンジンで発生した動力で走行してモーターがアシストする「パラレル走行モード」の3つの走行モードを自動で切り替える。

 また、大容量の駆動用バッテリーを床下中央に配置することで、前後の重量バランスの最適化と低重心化を図った。乗り心地と操縦安定性の向上に寄与している。

 そして、PHEVで同社が強調しているのが「停まっているときの価値」だ。車内に設置した100ボルトのAC電源(最大1500ワット)によって、電化製品に電力を供給できる。キャンプなどアウトドアのレジャーでの活用を想定する。「電動車両は小型車の方が効率が良いが、あえてSUVを組み合わせている」(担当者)のは、家族や友人とのレジャーで使いやすいようにしているためだ。

給電機能はアウトドアレジャーなどで利便性が高い

 レジャーだけでなく、非常時の給電機能もある。家庭用の蓄電池として使用可能。また、自ら発電することができるため、満タン・満充電の状態であれば、一般家庭の最大約10日分に相当する電力を供給することができる。

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