攻める総務

突然すぎて「反対意見が半数」→「ゼロ」に 3日間で“フルリモート化”した企業が、社員を説得できた理由思いがけないメリットも(1/2 ページ)

» 2020年12月01日 07時00分 公開
[秋山未里ITmedia]

 緊急事態宣言が発出される前の3月末、たった3日間で原則フルリモートワーク勤務への移行作業を行い、11月現在も継続している企業がある。ゲームやVR・AR技術を開発するモノアイテクノロジー(神戸市)だ。フルリモートワークへの移行は、神戸本社・東京支社をはじめとする全国複数カ所のオフィスで、特定部署を除く社員を対象に実施した。

【編集履歴:2020年12月9日午後3時20分 追加の取材内容に基づき、本文の表現を一部変更いたしました】

 「管理は大変だったのですが、各社員にパソコンを持たせて、開発担当が使う機材については社用車やタクシーも使って3日間で運びきりました」と振り返るのはモノアイテクノロジーの正木伸城さん(広報マーケティングチーム リーダー)。社員の自宅の環境により必要な場合は、オフィスの机や椅子もレンタルとして運び出したという。

photo 開発機材もあることで、「物理的な大変さが大きかった」と話す正木さん

 テレワークへの移行は初めからスムーズだったかというと、そうではない。モノアイテクノロジーではコロナ以前は全くテレワークを実施しておらず、3日間でフルリモートワークに移行することも、社長の鶴の一声で決まった。当時、管理部に寄せられた意見は「反対が約半数」だったという。「3月上旬からテレワークの試運転を一部の社員で行っていたのですが、ほとんどの社員は知らなかったので、青天のへきれきだったと思います」(正木さん)

 同社は今後、新型コロナウイルスが終息してもテレワークを中心とした働き方を続ける見通しで、オフィスの縮小移転と近隣オフィスの統合も進めている。テレワークについての社員の意見はどう変わったのだろうか。

反対意見に対応しつつ、運用は「性善説」で

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