メールやSlackなどのビジネスチャットで怒り狂う人たちが後を絶たない。
某ベンチャー企業で働くA君は、何も考えずにぐだぐだとした長文メールを上司に送り続け、その無能さ加減から見放されてしまった。そして、重要でやりがいのある役割も任されなくなり、結局転職していった。
筆者も米国で弁護士として働いていた際に炎上を巻き起こしたことがある。私は、徹夜続きで疲労困憊の状態だった。そして、あまりに情報連携が雑で私のペースを乱していたヨーロッパ拠点の同僚弁護士たち(幹部も含む)全員に対して、真夜中につい嫌みな口調の依頼メールを送信した。朝起きてみると直属の上司から、「こんなメールを海外に送信する前にまず私に一言話すべきだろ」と冷たいながら怒り心頭のメールが届いていた。自分自身にそこまでの悪意があったわけではなかっただけに心外でもあり、ショックを受けたものである。
考えてみれば、対面で普通に会話すればあっさり終わるような内容でも、メールやSlack、そしてLINEなど(以下、総称して「デジタル通信」とする)で伝えた結果、大炎上するケースが少なくない。誰でも一度や二度は、怒りのあまり、スマートフォンの送信ボタンを強くタップしてしまった経験はあるはずだ。そしてコロナ禍のリモートワークが注目を集める中、この「デジタル通信炎上問題」はますます重要になっている。
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