中国が覇権奪取に利用? 「QRコード」がコロナ禍で世界から注目されるワケ世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

» 2020年11月26日 07時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 11月20日から2日間の日程で、オンライン形式で開催されたG20サミット=主要20カ国の首脳会議。

 史上初めて全てオンラインで行われ、NHKによれば、首脳宣言では「世界経済の回復を支援するため、全ての利用可能な政策手段を引き続き用いることを決意する」とまとめられた。

 今回のG20では、会議途中でゴルフに行ってしまったドナルド・トランプ大統領以外にも話題になったことがある。中国の習近平国家主席のスピーチだ。習国家主席は、コロナ禍で国家間の移動を安全に行うために、国際的に受け入れられているQRコードを使うべきだとし、「多くの国がQRコードのシステムに加わることを望む」と語っている。

 あたかも中国が新型コロナ対策のQRコード・システムを構築しているかのような口ぶりだ。とにかく2025年までに「中国製造2025」でハイテク覇権を握り、35年までに「中国標準2035」で中国の技術規格を国際標準化すると標ぼうしている中国だけに、とにかく何につけても世界的な動きで主導権を取ろうとする姿勢が見え隠れしている。ヘルス分野についても、「中国標準2035」の重要項目の一つになっていることから、ここぞとばかりに声を上げたということだ。

 ただ中国の思惑は別にしても、今、QRコードそのものの利用については、世界的にもこれまで以上に注目が高まっている。そこでなぜ今、QRコードが話題なのか、探ってみたいと思う。

新型コロナの影響で、QRコードを利用したサービスへの注目度が世界的に高まっている(写真提供:ゲッティイメージズ)
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