サービス提供側のミスで「サーバデータが完全に消失」 利用者にできることは半径300メートルのIT

サーバデータ消失の原因が運用側のミスだった場合、サービス利用側はどのように対応するべきなのでしょうか。実際の事例から考えます。

» 2020年11月10日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

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 クラウド時代のインシデントとして非常に興味深く、そして頭が痛い事件が起きました。

 2020年11月1日、ふくい産業支援センターが運営するWebサービス「ふくいナビ」が障害によりサービスを停止しました。サーバ管理会社のNECキャピタルソリューションによる調査の結果、サービス停止の理由は「クラウドサーバのデータが完全に消失したこと」だと判明しました。

インターネットアーカイブに残る「ふくいナビ」(2020年9月23日時点)

 驚くべきは、このサーバデータ消失の原因がマルウェアによる感染でもサイバー攻撃でもない点です。ふくい産業支援センターは、2020年10月31日を更新期限とするクラウドサーバの賃貸借契約を、期限前の同年10月13日に更新しました。しかし、NECキャピタルソリューションの社内手続きの瑕疵(かし)により更新処理が反映されずに貸与期間が終了してしまい、クラウドデータが完全に消えてしまったとのことです。

 ふくい産業支援センターは「システムと登録データは、バックアップを含め完全に消失し、復旧には相当の期間が必要で再稼働の時期は現時点では未定だ」とコメントしました。この事件に関するNECキャピタルソリューションの報告はまだありません。

「過失がないインシデント」が発生 サービス利用側はどう動くべきか

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