スポーツ用品などを展開するファイテンはこのほど、販売管理システムのデータベース基盤をオンプレミスから米Oracleの「Oracle Database Cloud」に移行した。現在は、実店舗やECサイトの仕入れ・在庫・売り上げなどのデータをクラウドに蓄積し、集計や管理表の作成などを実施。受注データの取り込み時間を約10分から約15秒(40分の1)に短縮できているという。
ファイテンは従来、データベース管理システムの「Oracle Database Standard Edition」や他社のパッケージ型アプリケーションをオンプレミス上で運用していた。だがこの構成では、データ量が増えるにつれて処理性能が低下。管理表の作成に約120分を要したり、会員へのポイント付与に約2週間のタイムラグが発生したりと、処理速度の遅さが課題となっていた。
そこで同社は、データベース管理システムを上位バージョンの「Oracle Database Enterprise Edition」にアップグレード。運用効率アップと負荷削減に向けて、データベース基盤のクラウド移行も検討した。複数のパブリッククラウドを比較し、Oracle Database Cloudの採用を決めたとしている。
Oracle Cloudを選んだ理由には、同サービスの大阪リージョンがファイテン本社周辺の関西エリアにあり、低遅延で利用できることなどを挙げている。
データベース基盤の移行後は、受注データの取り込み時間が40分の1になった他、管理表の作成時間を約10分に短縮。リアルタイムでのポイント付与も可能になるなど、処理速度の遅さを改善できたとしている。
ただし、ファイテンの販売管理システムでは、現在も一部アプリケーションがオンプレミスに残っているという。同社は今後、これらもOracle Cloudに移行する方針だ。
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