“鬼滅ビックリマン”誕生! 菓子メーカー・ロッテが次々と打ち出すコラボ戦略の狙い30〜40代をターゲット(1/3 ページ)

» 2020年10月23日 17時31分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

 『週刊少年ジャンプ』で連載し、大ヒットとなった『鬼滅の刃』。2019年4月に深夜に放送されたテレビアニメが社会現象と呼べるほどヒットし、それまでシリーズ累計約350万部だった単行本の発行部数が、2020年10月には累計1億部を突破。約29倍もの伸び率となっている。

 10月16日に公開された劇場アニメ「劇場版『鬼滅の刃』 無限列車編」は、公開3日間で興行収入が46億円を超え、日本映画史上でも類を見ない勢いだ。

phot ロッテ『鬼滅の刃マンチョコ』のコラボ戦略とは?(以下ロッテ商品の写真はプレスリリースより)

 また「ゴールデンタイム」と呼ばれる、午後7時から午後10時の時間帯へのアニメの放送復活も1年ぶりに果たしている。実は19年10月に「ドラえもん」が金曜午後7時枠から土曜午後5時枠に、「クレヨンしんちゃん」が金曜午後7時30分の枠から土曜4時30分の枠に移動したことで、ゴールデンタイムのアニメは姿を消していた。

 その中で、フジテレビが2週連続でゴールデンタイムに『鬼滅の刃』総集編を放送。1年ぶりのゴールデン時間帯の放送を“復活”させ、これに続く形で同じくフジテレビ系列の準キー局・関西テレビも、10月23日から『鬼滅の刃』のゴールデンタイムでの地上波放送を決定している。

 “リアル”への経済効果もすさまじい。劇場アニメの「無限列車」にあやかり、JR九州では臨時列車「SL鬼滅の刃」を熊本〜博多で運行。『鬼滅の刃』原作者・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏の出身地とされる福岡県を走り抜ける。また辛子明太子や、宮崎牛のすきやきなど、九州の特産品を使った駅弁を販売し、その駅弁にキャラクターのクリアカード(全5種類)のうち1枚をつけている。

phot JR九州の臨時列車「SL鬼滅の刃」(JR九州のWebサイトより)
phot 辛子明太子や、宮崎牛のすきやきなど、九州の特産品を使った駅弁を販売
phot 駅弁にキャラクターのクリアカード(全5種類)のうち1枚をつけている

JR東日本もコラボ

 JR東日本も「鬼滅の刃×SLぐんま〜無限列車大作戦〜」と題するコラボイベントを10月9日から12月31日にかけて実施。駅弁「峠の釜めし」で知られる群馬県安中市にある企業「おぎのや」と、同じく安中市にある体験型鉄道テーマパーク「碓氷峠鉄道文化むら」、そしてJTBと協働し、一大観光プロモーションが展開中だ。JR東日本では、特別仕様のSLや団体専用列車を走らせている。JR九州では切符が“1秒”で完売するなど、「鬼滅」の社会現象ぶりがうかがえる。

 こうしたコラボ展開は、お菓子にも及んでいる。大手菓子メーカーのロッテは、同社の40年以上の看板商品となっているチョコレート菓子「ビックリマンチョコ」と、『鬼滅の刃』とのコラボ商品を出すと10月22日発表した。商品名は「鬼滅の刃マンチョコ」で、11月3日(火)から販売する予定だ。全国のコンビニエンスストアで数量限定で先行販売し、想定小売価格は税別100円(オープン価格)となっている。

phot JR東日本「鬼滅の刃×SLぐんま〜無限列車大作戦〜」(JR東日本のWebサイトより)
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