クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

RAV4をもっと売れ!池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/5 ページ)

» 2020年10月26日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 10月2日、トヨタ自動車はミドルサイズSUVのヒットモデル、RAV4に特別仕様車を追加発売した。この「RAV4 Adventure “OFFROAD package”」 は一見すると、ただのドレスアップモデルに過ぎない。しかし、それはトヨタの次の一手への礎になるかもしれない。

大ヒットモデルRAV4にさらにオフロード色を高めた特別仕様が追加された。その狙いはどこにあるのか?
切削加工のアルミ地が生かされたホイールを履くのは、ベースモデルのAdventure。タイヤとホイールの印象がだいぶ異なる

RAV4はどのくらい売れているか?

 すでにご存じの通り、RAV4は近年にほかにないほど売れている。売れているという話は知っていても、それがどのくらいかを押さえている人は少ないのではないだろうか。グローバルでの上半期の総販売台数は約42万6000台で、月販に直して7万1000台。トヨタ車中、最量販車種として君臨する。

 特に、SUV志向の強い米国と中国で好調。世界のナンバー1、ナンバー2市場を押さえていることがこの成績の最大の理由だろう。

 では、日本国内の販売はどうなのか? 2019年4月10日に発売されて以降の国内でのRAV4の月度別売り上げと車名別のRAV4の順位を並べてみよう。

  • 5月:6817台 7位
  • 6月:7822台 11位
  • 7月:8646台 10位
  • 8月:6277台 9位
  • 9月:6601台 14位
  • 10月:3919台 13位
  • 11月:4988台 14位
  • 12月:5759台 8位

 さて数字の見方だが、車名別販売台数のトップを狙うには、最低でも1万台越えはしていないとまず無理だ。ランキングなので同時期に他のヒットモデルがあるかどうかで、かなりブレがあるのだが、例えばプリウスが化け物のように売れていた頃の瞬間風速は4万台ほど。しかし、通常1万台を越えてベスト3に入れないということはまずない。例えば7月のRAV4の台数ピークは不運にも10位だったが、例月ならベスト5が狙える数字だ。概ね5000台がベスト10圏だと理解しておけばそう間違っていない。

 実績では5〜12月までのベスト10入りは4回だが、過半数を廉価なBセグが占めるようなランキングで、売れ筋モデルが350万円もするクルマがベスト10圏台数を売り続けていたことになる。

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