新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。
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2020年9月、東京都千代田区の新しい複合型オフィスビル「KANDA SQUARE(神田スクエア)」が全面開業した。
このビルは、屋外で仕事や会議、イベントなどができる「パブリックスペース」を備えている。“密”を作らないようにするこれからの仕事のスタイルにも合う機能だといえるが、この公共空間の意味はそれだけではない。
パブリックスペースの設計を担当したのは、日建設計で新領域を担当する部署「NIKKEN ACTIVITY DESIGN lab(NAD)」。顧客自身も明確化できていない要望やビジョンをくみ取り、デザインや機能として反映させることを目指す部署だ。その役割は、アフターコロナの“働く場”を考える上でも重要度を増しつつある。NADの担当者に、神田スクエアのパブリックスペースに込めた狙いと、アフターコロナの時代に求められるオフィスの役割について聞いた。
神田スクエアが建設された神田エリアは、ビジネス街に近い都心でありながらも、昔ながらの雰囲気が残る街。神田の新しいランドマークとして、住友商事が事業主となり、20年2月に新ビルが完成した。オフィスのほか、飲食店やスーパー、多目的ホール、貸会議室を備えている。新型コロナの影響で開業が延期になったが、9月上旬にグランドオープンした。
日建設計は神田スクエアの設計を担当。その中でも、2カ所の広場を担当したのがNADだ。いったいどのようなパブリックスペースなのか。キーワードは「日常」だという。
ビルと道路の間にあるスペースが広場となる。歩道から一歩足を踏み入れると、シルバーのフレームに取り囲まれた空間に入る。植物の間にテーブルやベンチが置いてあり、よく見ると、電源スポットや夜間照明もある。Wi-Fiも整備されている。銀のフレーム上には、軽く腰掛けられるクッションや、ちょっとした物を置ける台がところどころにくっついている。
ビルの反対側にあるもう一つのスペースは芝生広場。ここにもテーブルやイス、ベンチなどが設置されている。どちらの広場も、オフィスワーカーが外に出て仕事やミーティング、休憩をするのに便利なだけでなく、ビルの外からも気軽に入って利用しやすい雰囲気だ。
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