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「PlayStation 5」の分解映像をSIEが公開 「美しい設計」の全貌が明らかに

» 2020年10月07日 22時40分 公開
[ITmedia]

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は10月7日、公式ブログ「PlayStation.Blog」で次世代ゲーム機「PlayStation 5」(PS5)の分解映像を公開した。新しい冷却システムや基板など、設計から開発まで5年をかけたPS5の「技術の結晶が美しく詰まっている様子」が見られる。

PS5は「PS4より一回り大きくすることにより、処理能力や静音性の面で飛躍的な向上を果たした」
背面にはSuperSpeed USB(USB 3.1、最大転送速度10Gbps)対応のType-Aポートが2つ、LANポート、HDMIポート、電源端子が並ぶ

 動画ではPS5の外観やインタフェース類を映した後、ベースを外して横置きにする方法、両側の白いパネルを外して内部にたまったホコリを掃除する方法も紹介。パネルを外すと2カ所にダストキャッチャーの穴があり、掃除機などでホコリを吸い出せるという。

白いパネルは取り外し可能

 パネルの下には将来のストレージ増設のためのPCIe 4.0対応のM.2インタフェースを用意。ここまではユーザー自身でアクセスできる。

 分解を進め、大きな冷却ファンやUltra HD Blu-ray Discドライブ、基板などを取り外すと、CPUやGPU、メモリーなどが露出。基板上に円形に並んだSSDの中心にカスタムのSSDコントローラーが見えた。このコントローラーにより、「読み込み速度は毎秒5.5GBと高速化。ゲームのロード時間を大幅に短縮した」という。

直径120mm、厚さ45mmの巨大な冷却ファン
ドライブユニットは板金ケースで完全に覆い、さらに2重のインシュレータでマウントすることにより、ディスク回転時の駆動音と振動を低減
CPUはAMDのRyzen “Zen 2”。8コア16スレッドで最大3.5GHzで駆動する
GPUはAMD Radeon RDNA 2・最大2.23GHzで駆動し、10.3T(テラ)FLOPSを実現する

 スペック表にあった「液体金属」の正体も明らかに。PS 5ではSoCの小型ダイを非常に高いクロックで動作させるため、シリコンダイの熱密度が非常に高くなる。SoCとヒートシンクの間に挟むTIM(ティム)と呼ばれる熱伝導材の大幅な性能アップが必要だったという。

 SIEでは、長期に安定した冷却性能を実現するため、TIMに液体金属を採用することを決めた。そこから2年以上の時間をかけ、「考え得るありとあらゆる試験」を行い、採用に至ったという。

液体金属のTIM

 ファン同様、ヒートシンクも大型だ。PS3やPS4と同じようにヒートパイプを使っているが、形状やエアフローの工夫により、ベイパーチャンバーと同等の冷却性能を実現したという。

ヒートシンクも大型
動画の最後には、外した部品をデスクの上に整然と並べてみせた

 動画を掲載したPlayStation.Blogのページでは、開発チームがこだわった「美しい設計」を解説している。

 「筐体を分解して開けたときに中が美しく整って見えるということは、部品点数も含めて設計に無駄がなく、結果として不良が少なく、高品質で完成度の高い製品であるということを意味するのです」

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